名古屋音楽祭/プッチーニ・フェスティバル
1996年5月29日(水)6:00PM 愛知県芸術劇場コンサートホール

「REVIEW96」に戻る  ホームページへ
 
 
  名古屋音楽祭/プッチーニ・フェスティバル
  1996年5月29日(水)6:00PM
  愛知県芸術劇場コンサートホール

 出演:マリア・グレギナ(ソプラノ)
    ペーター・ドヴォルスキー(テノール)
    シェリル・ミルンズ(バリトン)

 指揮:ファビオ・ルイジ  大阪センチュリー交響楽団

 最初のプログラムは、《ジャンニ・スキッキ》のラウレッタのアリア。
 この曲を聴くのは、昨年秋から、フレーニ、佐藤しのぶ、松本美和子に続き、4回目。
 グレギナという人は、ソプラノというには、少し声が重いような気がする。
 と思ったら、来年のメット来日公演では、サントゥッツァを歌うのね。
 これはメゾソプラノのパートだから、納得。

 ペーター・ドヴォルスキーは、クライバーの《ボエーム》、シノーポリの《マノン・レスコー》と、我が生涯のベスト5に入るオペラの主役を歌ってくれた、大事なテノール。
 ヒゲに大分白いものが混ざり、フルートのゴールウェイそっくりになってしまった。

 このコンサートはたいへん盛り上がったいいコンサートだったんだけれど、中でも第一部の後半、《トスカ》が良かった。
 まず、第一幕のカヴァラドッシとトスカの二重唱があって、なぜかしら第三幕の《星は光ぬ》を挟んで、第一幕のトスカとスカルピアの二重唱からフィナーレ。

 演奏会形式とはいっても、楽譜なし、目と目を見つめ合い、手を取り合っての演技は、完全にオペラの登場人物になっている。
 トスカとスカルピアの二重唱では、指揮者を挟んで別れて歌っていたんだけれど、スカルピアが扇子を渡すところで、スカルピアは指揮者の前を横切って、トスカに近かずいたりして。

 そして嫉妬に駆られたトスカが出ていってから歌われた、スカルピアの《テ・デウム》では、このホールご自慢のパイプオルガンも鳴りひびき、オペラそのものの盛り上がりで、僕はたいへん満足でした。
 舞台装置はなくても、教会内部が目に見えるようでしたね。
 第二幕も聴かせていただきたかった。

 アンコールは、《マノン・レスコー》第四幕のマノンのアリア、《ジャンニ・スキッキ》のジャンニ・スキッキのアリア、《トゥーランドット》のカラフのアリア(あれね ^_^ )、そしてもう一曲《歌に生き恋に生き》と、サービスも満点でした。
 
 
「REVIEW96」に戻る  ホームページへ