栗山昌良演出 《トゥーランドット》
1996年7月7日(日)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 栗山昌良演出 《トゥーランドット》
 1996年7月7日(土)2:00PM
 愛知県芸術劇場大ホール

  指揮:外山雄三  演出:栗山昌良

  トゥーランドット:岩永圭子
   皇帝アルトゥム:高 丈二
     ティムール:高橋啓三
       カラフ:福井 敬
       リュー:菅 英三子
        ピン:末吉利行
        パン:松浦 健
        ポン:牧川修一
        官吏:澤脇達晴

 名古屋フィルハーモニー交響楽団 愛知県立芸術大学ウインドオーケストラ
 東京オペラシンガーズ AC合唱団 名古屋少年少女合唱団

 昨日とはトゥーランドットとカラフが交代。
 カラフ役は昨日の田口さんの方が声に張りがあったと思います。
 トゥーランドット役の岩永さんは、カラフが一目惚れするようには見えませんでした(^_^;。
 リュー役の菅さんは、今日の方が調子が良かったようです。
 
 カーテンコールでは、やはりリューとカラフに声援が飛んでいました。
 カーテンコールの最後にトゥーランドットが現れるんですが、あまり拍手が盛り上がらず、申し訳け無い思いでした(リューの仇役みたいだからかな?)。

 今回聴いて改めて分かったんですが、カラフとトゥーランドットは大変な役ですね。
 リューは少し歌うだけで、儲け役かも知れない。

 やはり、栗山さんの演出は素晴らしい。
 第2幕の宮殿がせり上がってくるところは、まず屋根が見えて『おおっ!』と驚いて、その下にたくさんの合唱が乗っているのが見えてまた驚くという、驚きが2倍ですね。

 また、100人近い(と思う)コーラスの出入りが実にスムースです。
 よく見ていると、出入りする一人一人に演技が付いているようで、自然な動きのまま、現れたり引っ込んだりします。
 またこのコーラスが凄い迫力で、金色の紙吹雪(すごい量なんです)が舞うラストシーンなんか、一生忘れないようにしないと。

 休憩時間にオケピットを覗いてみたんですが、いつもより床を深く下げているようです。
 バイオリンはやはりファーストが内側に入って、コンサートマスターは一人だけ台に載っていました(ソロがあるから)。
 この公演では指揮者の出入りがなかったんですが、休憩時間もオケピットの壁に張り付いている、指揮者の外山さんを発見しました。
 地元の名フィルでこれだけの演奏が出来るというのは、嬉しかったですね。

 目にも耳にも楽しい、これこそオペラの醍醐味だと思いました。
 この上演の関係者全員にお礼を言いたい気持ちです。

 舞台装置は廃棄してしまうんだそうですが、どこか海外のオペラ劇場にこのまま
(栗山演出付きで)輸出できないものでしょうかね?


◇トゥーランドット(7/7)ハプニング

 第1幕の最後、トゥーランドットの名を歌い上げて、カラフは求愛の銅鑼を打ち鳴らします。
 1発2発と打ち鳴らす毎に、民衆たちが恐怖におののきます。

 そして最後の3発目を打ったとき、バチの先が外れてしまった(@_@)。
 外れたバチの先は静止した合唱団の足元をころころ転がって、何とオーケストラピットの中に落ちてしまいました。
 転がっていくバチをすべての観客が見て、ピットに落ちるのを知っているのに、セカンドヴァイオリンのHさんはそれを知らずに演奏し続けている。
 ちょっと不思議な世界でした。
 結局バチは奏者の間に落ちまして、われわれ観客はホッといたしまして、Hさんはビックリしていました (^_^) 。

 しかし3発目でよかった。
 1発目、2発目だったら、どうなっていたんだろう?
 
 
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