フォーク・オペラ 《照手と小栗》 説経節『をぐり』より
1996年10月20日(日)0:00PM 名古屋市芸術創造センター

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   フォーク・オペラ 《照手と小栗》 説経節『をぐり』より
   原作・演出  :ふじたあさや
   作曲・音楽監督:三木 稔

   1996年10月20日(日)0:00PM
   名古屋市芸術創造センター

 名古屋市文化振興事業団では、毎年2月にオペレッタ・ミュージカルを上演して、12回になります。
 この《照手と小栗》は、94年2月に第10回記念として製作された、オリジナル作品の再演。
 投票をすませてから行って参りました。

 説経節は、無名の民衆たちが創り出した口承文芸で、中世以来民衆に愛されてきており、有名なのは《山椒太夫》。 と、プログラムに書いてあります。
 作・演出の ふじたあさやさんは、説経節の虜になっているそうです。

 最初に両親が出てきたところで(小栗が生まれる前ね)、群唱が、安八とか墨俣とか言ったような気がする。
 母親の実家なのかな?
 安八は安八水害で有名な輪中の町。
 墨俣は、秀吉の一夜城が有名。

 常陸小萩が働かされた遊女屋(彼女は客は取らなかったんだが)は、美濃の国青墓の宿。
 これは、大垣市青墓町。
 この辺はプログラムの32ページに書かれています。

 ストーリーは、小栗判官の生い立ち、照手姫との出会い、許されぬ恋、そして小栗判官の死、照手姫の勘当。
 遊女屋へ売られた照手姫、小栗判官の戻世、小栗判官の餓鬼と照手姫との出会い。
 小栗判官の熊野での復活、小栗判官は美濃へ戻り、照手姫との再会を果たしてめでたしめでたし。

 演奏は下手手前に バイオリン1、チェロ1、琴1、尺八1、パーカション1、上手奥にはTp・Tb・Hn各2?などの金管陣と、ティンパニー1 と並び、指揮者は座席1列め中央に座っての指揮でした。

 一応、照手姫と小栗判官のお話が分かったのは収穫だったし、演出はそれなりに良くできていたのではないでしょうか。

 しかしながら、三木 稔さんのお経のような音楽を長時間にわたって聴かされるのには、忍耐を要した。
 それから、主に歌を歌うのは、男女の説経の徒と群唱で、彼らの歌に合わせて登場人物が演技することが多く、あまりオペラッティックな楽しみはなかった。
 何せ、耳に残るメロディーが無いんだわね。

 説経節は義太夫節などに押されて、音楽としては残っていないんだそうだ。

 ふじたあさやさんと三木 稔さんは、第2部を2階で観劇していた。
 カーテンコールで小栗判官が一生懸命彼らを捜している。
 で、ふじたさんはすぐ1階に駆け下りて、舞台に登っていた。
 しかし三木さんは、2階の中央で立ち上がって手を振っていたが、誰も気が付かず。
 その存在に気が付いたのは、僕だけではないかな?

 会場入口に掲示があって、東京在住の知り合いの人にPRして欲しい、と書かれていたので、ここに報告しておきます。
 11月1日(金)夜、2日(土)夜、3日(日)午後と3回、東京芸術劇場 中ホールで上演されるそうです。
 この機会を逃したら、一生観る機会がないですよ、このオペラ(^_^)。
 
 
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