キーロフオペラ 《カテリーナ・イズマイロワ》
1996年11月3日(日)1:00PM東京文化会館

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    キーロフオペラ 《カテリーナ・イズマイロワ》
   1996年11月3日(日)1:00PM東京文化会館

       指揮:ワレリー・ゲルギエフ
       演出:イリーナ・モロストーワ

        カテリーナ:イリーナ・ロスクトーワ
      使用人セルゲイ:セルゲイ・ナイダ
 カテリーナの夫ジノーヴィ:レオニード・ザホジャーエフ
   カテリーナの舅ボリス:ブラト・ミンジルキーエフ
    女囚人ソニェートカ:リューボフ・ソコロワ


 本来『ムツェンスク郡のマクベス夫人』を買ったのに、改訂版の『カテリーナ・イズマイロワ』に変更された公演です。
 YUH さんのお話では、『ムツェンスク郡のマクベス夫人』の方が、エロティックなシーンが多いんだそうで、ちょっと残念ではありました(^_^;。
 露出度はそれほど多くなかった(^_^;。
 この辺の比較は2日通しで観た方からのレポートがあるでしょう。

 暴君的な権力をふるう舅。
 舅に頭があがらず常に人の顔色をうかがっているような夫。
 閉塞的な状況の人妻が、粗暴で男性的、セクシャルな男に出会ったことから運命が狂っていく。

 舞台は横貼りに貼った大きな柵がポイント。
 これが開いたり、適当な大きさに分割されて場面を作っていく。

 僕はこのオペラを観るのは初めてなんだが(だから上京したわけだ)、全く退屈することなく観終えることが出来た(1・2幕なんか連続上演で、50分+50分でしたからね)。

 演出は装置こそ抽象的だが、演技は全く納得できるもので、あまりに話がすらすら進むので、かえって拍子抜けしたほど。

 出演者はいずれも、歌も演技も良かったのではないか?
 スラブの底力を見せつけられたような思いだ。

 ショスタコーヴィッチの音楽は、オケが難しすぎるんじゃないかな?
 シンフォニーの上に歌が載っているような部分が多いような気がした。
 歌無しでもOKという感じ。
 ショスタコーヴィッチは大作曲家だと思うし、シンフォニーでも、カルテットでも、聴けば必ず感心するんだが、今回のオペラも感心した。
 ただ、CDを買って毎日聴こう、という気はしないんだわね(^_^;。

 カテリーナがソニェートカを水に突き落とすシーンでは、音楽も演出も、もう少し工夫があってもいいんじゃないかな?
 あれじゃ《カルメン》と一緒だ。
 
 
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