吉例大須師走歌舞伎 近松門左衞門作 『平家女護ケ嶋』
 1996年12月22日(日)大須演芸場

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 吉例大須師走歌舞伎 近松門左衞門作 『平家女護ケ嶋』
 1996年12月22日(日)大須演芸場

 大須演芸場は客が入らなくて有名な(?)寄席なんですが、夏の『大須オペラ』と、冬の『吉例大須歌舞伎』というスーパー一座の公演はいつも満席。
 本日も桟敷に座って、お弁当を食べながらの観劇です。

 僕の席は花道寄りで、お弁当を食べていたら、役者さんが突然飛び出してきてびっくり(^_^;。
 江戸時代には、こうやって舞台を楽しんだんだな、なんて思いました。
 巨大な大仏の首も通ったな。

 最初に常盤御前のアリアなんかがあって、ミュージカル仕立てか? とも思ったのですが、結局歌は3曲くらい。

 第2幕は有名な『俊寛』で、義太夫と三味線付き。
 太夫は《ボッカチオ》でピエトロ王子役を歌った佐藤裕二さんでした。

 第3幕は、元源氏であるが今は平家に使える武士が、常磐御前の側近(別れて暮らしていた実の娘)に切られながらも、牛若・常磐母子を逃がす場面で閉幕となるわけですが、義理と人情の世界に泣けました。
 ハンカチで涙を拭いている人も多く、それを見て、また泣けたりして(^_^;。

 しかしこの舞台、ただ悲しいだけではありません。
 四段目の海の中の戦いなんか、シンクロナイズド・スイミングまで出てきて、抱腹絶倒。
 五段目には俊寛の妻・東屋の幽霊の宙乗りまであって、3時間近くを飽きさせません。

 例年『大須師走歌舞伎』は面白いんですが、今年は特に素晴らしい出来だと思います。
 公演期間は残り2日。
 『忘れている方に、ぜひ見に来るようにお伝え下さい』との間瀬さんのメッセージでした。
 プレゼントが当たった人は、東京の人でしたよ。
 
 
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