プラハ国立歌劇場 《ドン・ジョヴァンニ》
 1997年1月19日(日) 3:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 プラハからやって来たスタヴォフスケー劇場の公演です。
 この劇場は《ドン・ジョバンニ》が、1787年10月29日に、モーツアルトによって初演された劇場だそうで(当時はノスティッツェ劇場)、本場物の《ドン・ジョバンニ》です。

     プラハ国立歌劇場 《ドン・ジョヴァンニ》
 1997年1月19日(日) 3:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

 指揮:オリヴィエル・ドホナーニ  演出:ダヴィト・ラドク

   ドン・ジョバンニ:ヴォイチェフ・ナレゼネツ
        騎士長:イジー・カレンドフスキー
    ドンナ・アンナ:ナジェジダ・ペトレンコ
 ドン・オッターヴィオ:シュテファン・マルギタ
 ドンナ・エルヴィーラ:リーヴィア・アーゴヴァー
       レポレロ:ルジェク・ヴェレ
       マゼット:ズデニエク・ハルヴァーネク
     ツェルリーナ:アリツェ・ランドヴァー

 指揮のオリヴィエル・ドホナーニって、有名なドホナーニの一族なんでしょうか?

 僕の席は5階の後方。
 プロセニアムのために、舞台の奥は見えないし、両横の字幕は低すぎて、前の人の頭のために見えないという天井桟敷。
 これで9000円は高い。 いくら高くても5000円がいいところ。
 それでも満席で、主催者側は儲かったことでしょう。  

 オケはチェロが4人だったので、逆算すると、第1バイオリンは10人でしょうか。
 この巨大劇場にしては、いかにも少ない人数です。

 舞台は1幕も2幕も(2幕構成で上演された)、真ん中がスロープになっていて、両横にオブジェがおいてある、ただそれだけ。
 ほとんど舞台転換がなく、これはストーリーを知らない人には分かりにくい演出だったんじゃないでしょうか。
 最初の騎士長が殺される場面からして、不必要な人々がうろうろしていたりしてどこで起こっている出来事なんだか、分かりません。

 そういう舞台での人物の動きは類型的。
 制作費が無いなら無いなりにプロの腕を見せていただきたいものです。
 照明にも工夫が無く、実に平板な印象。

 ネタバレだからここは読まなくていいけれど、最後の見せ場(だろう?)の地獄落ちの場面なんか、穴の中にドン・ジョバンニを突き落として、ちょっとスモークが出て、苦しんだジェスチャーをしておしまい。
 そりゃ、あんまりだろう?

 歌手は有名な人はいないんですが、それなりでしょうか。
 ドンナ・エルヴィーラは強さというか、激しさが無かったですね。
 ドン・オッターヴィオのアリア(石像が出る前)はいつも『何で今頃こんなこと歌ってるの?』なんて思うんですが、今日の人はよかったと思いました。

 ということで、これは物足りない上演でした。
 プラハの劇場で見れば、それなりの感激もあるんでしょうが‥‥
 まあ、初演の劇場の《ドン・ジョバンニ》のレベルが分かったので、良しとしま
しょう。

 ところで、会場で7月のブルノ歌劇場《トスカ》のチラシが配られていました。
 それを見ると、トスカが肥満体なんですね。
 日本公演がこの人だったら、ちょっといやだな (^_^;。
 本日の女性軍はスタイルのいい人が揃っていて、その面では満足でした (^_^) 。
 
 
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