関西二期会 楽劇《ワルキューレ》
97年5月10日(土)4:00PM 尼崎アルカイックホール

「REVIEW97」に戻る  ホームページへ
 
 
         関西二期会 楽劇《ワルキューレ》
 1997年5月10日(土)4:00PM 尼崎アルカイックホール

   演出:西澤 敬一
   指揮:現田 茂夫  大阪フィルハーモニー交響楽団

   ジークムント:若本 明志  ジークリンデ :小池 輝美
   フンディング:木川田 誠  フリッカ   :児玉 祐子
   ヴォータン :青戸  知  ブリュンヒルデ:小西 潤子

 昨年の東京二期会《ワルキューレ・オフ》と同じ演出。
 第1幕は大好きなんだが、どうも流れが悪くて、がっかり。
 これは当然、指揮とオケと歌手に問題があるんだろう。
 ジークムントは東京より良かったと思う。
 東京の岩井理花さんは良かったね。

 東京でゾゾーッとしたジークムントが唐突にジークリンデの顔をなでる部分は、お互いに顔と頭をなで回すという、より変態的な演出になっていた (^_^;。
 ここではまだ、もう少しプラトニックにして貰いたいと思うんだが。

 第2幕になって面白くなった。
 青戸さんはよく通る声で、若々しいヴォータン。
 ハイバリトンだという意見もあったが。
 ヴォータン、フリッカ、ブリュンヒルデが歌っている間は『オペラを見ている』という気がしたが、ジークムントとジークリンデの場面になると、またダルな感じになってしまう。

 第3幕のワルキューレ達の動きは、ぎこちなくておかしかった。
 演出家の指示通りの集団行動、という印象だな。

 ヴォータンとブリュンヒルデの二重唱が始まったのが8:30PM。
 最終の新幹線に乗るためには、9:14PMの電車に乗らなくてはならない。
 ここからは時間との勝負になる。
 ここまでは無彩色の舞台だったので、青い背景がきれい。
 ブリュンヒルデも頑張っていたし、『ヴォータンの別れ』のソロも東京より声量があって良かった。
 よく暗譜が出来るものだと感心してしまう。

 岩山に火がついたのは9:00PM。
 この場面の演出はスケールが大きくて好き。
 ここでタイムリミットということで会場を出た。
 しかし、阪神の尼崎駅にいたら、お客さんやオケのメンバーが帰ってきたのね (^_^;。

 ということで不満もあったんだが、大阪で《ワルキューレ》を上演したことには、敬意を表したい。
 この経験を財産として、次のステップに進んでほしいものだ。
 
 
「REVIEW97」に戻る  ホームページへ