メトロポリタン歌劇場来日公演《カヴァレリア・ルスティカーナ》《道化師》 1997年5月24日(土)5:00PM 愛知県芸術劇場大ホール |
メトロポリタン歌劇場来日公演《カヴァレリア・ルスティカーナ》《道化師》 1997年5月24日(土)5:00PM 愛知県芸術劇場大ホール 指揮:ジェームズ・レヴァイン 演出:フランコ・ゼッフィレッリ 《カヴァレリア・ルスティカーナ》 サントゥッツァ:マリア・グレギーナ トゥリッドゥ:ファビオ・アルミアート ルチア:ステファニー・プライス アルフィオ:ブルーノ・ポーラ ローラ:ウェンディ・ホワイト 舞台上手に大きい教会。 下手にルチアの酒場、というオーストドックスな舞台構成。 復活祭の行列も、ゼッフィレッリなら、もう少し豪華かと思ったが‥‥。 出だしはシチリアらしいパッションが感じられないような気がしたが、サントゥッツァが出てきてからは、もう大丈夫。 グレギーナにとって、この役は音が低いのかな? でも、そんなことは気にならない。 舞台栄えはするし、声は素晴らしいし、演技も上手だし、『ママも知るとおり』も良かったが、アルミアートとの二重唱が、これまた素晴らしかった。 アルミアートは長身スマートなハンサムで、声もよく通って、最後の『母さん、あの酒は強いね』など、しみじみと聴いてしまった。 アルフィオは少し迫力不足か? ルチアとともに、それなりという印象。 ローラは肥満気味。 シチリア衣装がその印象を助長する。 彼女がトゥリッドゥを不倫に誘い込んだのなら、ぜったい色仕掛けだな (^_^;。 舞台上手に泉があって、ライオンの口から水が出ているんだが、どういう仕組みになっているのだろうとか、止まるんじゃないかとか、いろいろ考えてしまった。 休憩時間のメトロポリタン常連の方のお話では、通常のメトの公演に較べればずっと上出来、とのことであった。 《道化師》 ネッダ:ダニエラ・デッシー カニオ:プラシド・ドミンゴ トニオ:ファン・ポンス シルヴィオ:ドゥェイン・クロフト ペッペ:エドゥアルド・ヴァルデス 演奏前に放送があって、『ファン・ポンス氏はのどの調子が悪いが、それでも歌います』とのことだったが、『プロローグ』を朗々と歌い上げて、どこが調子が悪いの? でも、そういう放送があると、拍手もひときわ高くなるというものだ (^_^) 。 舞台は、村はずれにサーカスがやってきたという設定。 馬車の幕が上がると、そこにドミンゴがいて、大拍手。 この《道化師》は、僕には、ドミンゴのカニオがすべてだった。 『衣装を付けろ』や『もう道化師じゃない』など、思わず鳥肌が立ってしまう。 第1部の後、ドミンゴ一人のカーテンコールがあった。 休憩無し。 どうも、このオペラは《カヴァレリア・ルスティカーナ》に較べると、退屈するところがあるような気がする。 演出でも、いくつかの疑問を感じた。 例えば、ネッダが『鳥の歌』を歌うとき、彼女は小さい女の子の相手をしながら歌う。 この女の子は何者なのだ? ネッダとカニオとの間の子供なのであろうか? ふつうネッダには子供はいないと思うんだが、『子供がいてはいけない』ということもないんだろう? だって、この一座に女性は彼女しかいないんだから、他の女性の子供とも考えにくいんだわね。 なんて、我ながら、オペラ見ながら何を考えているんだろうね (^_^;。 でも、この女の子がいなければいいのに、とは思ったな。 デッシーは、普通なんじゃないかな? シルヴィオは髪が薄かったので、若い恋人という感じがしなかった (^_^;。 日本と西洋の認識の違いか? 何はともあれ、ドミンゴのカニオの実演を見ることが出来て、大変幸わせ。 熱烈なカーテンコールが、長く続いていた。 ◇サイン貰った、握手もしたよ! 公演が終わって、駐車場へ向かったんだが、エレベーターが大変混雑していた。 では、明日の当日券を手に入れるため並んでいる人でも見に行こうか、ということで愛知県芸術劇場の正面に出てみた。 もう屋根のあるところには並びきっていて、今夜は雨なので、一体どうするんだろう? 外に出たついでに楽屋口方向を見てみたところ、人が並んでいた(50人くらい?)。 出待ちかな? と思って、そばに行って話を聞いてみると、どうもサイン会があるらしい\(^o^)/。 列は順番に進み、待つこと30分くらいで、中に入ることが出来た。 楽屋口のロビーでサイン会は行われていた。 順番に、ジェームズ・レヴァイン、マリア・グレギーナ、ファビオ・アルミアート、ブルーノ・ポーラ、ドゥェイン・クロフト、ダニエラ・デッシー、プラシド・ドミンゴ。 全員にサインして貰い、握手もしてしまった\(^o^)/。 みんなニコニコ、とても優しかった (^_^) 。 グレギーナさんとは、次のような会話をした。 『明日は貴女のトスカが聴きたかった』 『明日は出ないの』 『そう。だから、とても残念なんです』 ここで隣のレヴァインが『僕もそう思う』と言ったようで、グレギーナが喜ぶ (^_^) 。 『じゃあ、1ヶ月後に、サントリーホールに来てね』(ちょっと会場が間違っているようだが、彼女はこう言った)。 『出来たらそうしたいんですが‥‥』 いや〜、全く予想もしていなかったのに、ハッピーなことでした (^_^) 。 |