スロバァキア国立歌劇場《トスカ》全三幕
 1997年11月15日(土)5:00PM  愛知県芸術劇場大ホール

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     スロバァキア国立歌劇場《トスカ》全三幕
 1997年11月15日(土)5:00PM  愛知県芸術劇場大ホール

  演出:ミロスラフ・フィッシャー  指揮:デュサン・シュテファネック
       スロバァキア国立歌劇場管弦楽団
       スロバァキア国立歌劇場合唱団

          トスカ:佐藤しのぶ
     カヴァラドッシ:ペーター・ドヴォルスキー
       スカルピア:シェリル・ミルンズ

 僕は今年4回目の《トスカ》だったんですが)、素晴らしい公演でした。

 会場に『イワン・アンゲロフは急病で来日できず、デュサン・シュテファネックが指揮します』との掲示がありましたね。
 主催のCBCもキャスト表くらい配布してもらいたいものです。
 もう一つ、歌詞の電光掲示板は見にくかった。
 《ワルキューレ》と同じもののようですが、これで規格統一されてしまったのでしょうか?

 さてシュテファネックですが、オケを引っ張っていくタイプの指揮者ではないようでしたが、不満無し。
 『テ・デウム』なんか、チューバとかトロンボーンの金管をバンバン鳴らして素晴らしいクライマックスを作っていました。
 僕はブラス系統に弱いから (^_^;。

 メット《トスカ》の舞台装置が豪華だという評判でしたが、このスロヴァキアの舞台装置も立派なものでした。
 書き割りのメットより、大きな大理石(に見える)の柱が立った今回の方が、重厚といえるかも。
 この辺の印象は、前評判と反比例する面がありますけどね (^_^;。

 ドヴォルスキーを最初に見たのはクライバーの《ボエーム》の時だから、もう15年あまり前のことになりましょうか。
 声が重くなったような気はしましたが、懐かしく聴かせていただきました。

 ミルンズは、昨年の名古屋音楽祭でのグレギナとの《トスカ》(コンサート形式)での芝居達者なスカルピアに感心して、この公演を楽しみにしていたんですが、期待は十二分にかなえられました (^_^) 。

 そして、タイトルロールの佐藤しのぶさん。
 登場の時から拍手が上がる人気者です。
 声の柔らかさが少し欠けているかとも思いましたが、芝居上手もあって素晴らしかった。
 『歌に生き、恋に生き』の最後の部分『PERCHE,SENIOR』(歌詞に自信なし)なんか、オケの音が消えてしまってからも弱音を長く伸ばし、その上クレッシェンドをかけて来るんだものな。
 ゾクゾクしましたよ、本当。

 第2幕のフィナーレではスカルピアを刺殺したあと、トスカの手にナイフが無いので、どうしたのかな? と思っていたんですが、スカルピアをゴロリと仰向けにすると、胸にナイフが刺さっていたのね (@o@)。
 飛び出しナイフじゃ、ああはいきませんよね。 いつの間に‥‥不思議だ。

 最後に追いつめられたトスカは、城壁から潔く仰向けに (@o@) 落ちるんですが、5階から見ていた人の話では、マットに着地したあとの手が見えていて、おかしかったそうです (^_^;。
 
 
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