ミュージカル 《ピアニスト》
1997年12月6日(土)4:00PM愛知県芸術劇場大ホール

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       ミュージカル 《ピアニスト》
 1997年12月6日(土)4:00PM愛知県芸術劇場大ホール

 僕は『作曲家ゆかりの地』を訪れるのが大好きで、今年の4月にはシューマン夫妻が住んでいたデュッセルドルフの家、ボンの夫妻のお墓などを訪れたので、この《ピアニスト》を見る義務があるか(と勝手に)思って、愛知県芸術劇場に行って来ました。

 この劇場は巨大劇場なんだけれど、観客の入りは半分以下と見えました。
 都合で一幕最後からの観劇です。

 第二幕は、クララがシューマンの意向でピアニストを止めて、何年も家庭に閉じこめられている、というストーリー。
 これは事実と違う。
 もちろんシューマンとの結婚によって、夫の作曲の邪魔にならないよう練習が出来ないとか、家事、育児(子供多し)などで、ピアニストとしての時間が削られたとはいえ、彼女はちゃんと演奏活動をしている。

 こんな根本的なところが作り話なんだから、その他の所が目茶苦茶なのは言うまでもない。
 ブラームスがシューマン夫妻の家を初めて訪れたのは1853年なんだけれど、そのブラームスが1847年に死亡したメンデルスゾーンと、仲良くお話をしているんだものな (^_^;。

 そうそう、メンデルスゾーンの死因は脳卒中ね。
 なんで肺病なんかに変更する必要があるんだろう (@_@)?

 クララとブラームスが恋愛関係にあったのは確かで、僕も大変興味がある所なんだけれど (^_^;、ブラームスとクララの妹が恋愛関係だったとは噴飯もの。

 それから、クララには兄はいない。
 だから、このミュージカルに出てくるアルビンなる人物は、全く架空の人物。

 他にもいっぱいありすぎるんだけれど、僕としては、このミュージカルを見た人が、これを事実だと思いこんでしまうのが、たまらなく嫌だ。
 フィクションを作るのなら、歴史上の人物を勝手に使うのは止めてほしいものだ。

 特に、あれではシューマンが、余りに気の毒(涙)。
 
 
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