名古屋二期会公演《天国と地獄》
1998年1月11日(日)2:00PM 愛知県芸術劇場 大ホール

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 名古屋二期会公演《天国と地獄》
 1998年1月11日(日)2:00PM 愛知県芸術劇場 大ホール

 演 出:中村 敬一  指 揮:松尾 葉子
 演 奏:名古屋フィルハーモニー交響楽団
 合 唱:名古屋コール・ハーモニア 名古屋二期会合唱団

    ユーリディス:若狭 真美
    オルフェウス:若井 雄司
     ジュピター:水谷 和樹
    アリステウス:鳴海  卓
      ジュノン:寺本 久美子
    キューピット:やまもとかよ
      ダイアナ:石川 紀子
     ヴィーナス:澤田 昴英
    モルフェウス:岡田 邦義
       マルス:佐藤 秀和
    マーキュリー:桑山  肇
 ハンス・スティック:鈴木 俊也
        世間:夏目 久子

 外山雄三&栗山昌良コンビによる『ブリテン・シリーズ』から路線変更した名古屋二期会の第一弾。
 ブリテンから《天国と地獄》という大胆な路線変更には戸惑ってしまったが、これはなかなかに楽しい舞台だった。
 ソリスト役が多いのは、チケット捌きにも好都合かも (^_^) 。

 松尾葉子さんの指揮は序曲から弾んだ音楽で、ウキウキしてしまった。
 世間役の夏目さんは京都弁だったが(彼女は京都出身)、ここは名古屋弁でお願いしたかったな。
 オルフェウスはバイオリンを持っていたんだが、オペラグラスで確認したところでは駒が無かったね。
 ユーリディスの出番が多かったが、若狭さんは敢闘賞。

 中村敬一さんの演出はアイディアに富んだもので、大変気に入った。
 特に第3幕、ジュピターが蠅に変身してユーリディスが閉じこめられた部屋に鍵穴から入るところ。
 自分の頭では考えつかないような発想に出会うと嬉しくなってしまう。
 ジュピター役の水谷さんは大健闘だったんだが、お医者さん (@o@)。

 大道具にはそれほど費用をかけていないようだが、舞台機構を利用して安っぽさは感じさせない。
 第2幕のフィナーレは舞台ごと地獄に落ちるんだが、すごいスケールを感じさせた。
 舞台丸ごとだからね。
 あれって、お金がかかるのかな?
 最後にユーリディスが地獄に戻されるとこるは普通に歩いて階段を下りていたが、ここでは今一度の冴えがほしかった。

 衣装が実に立派だったことも、書いておきたい。

 新国立劇場制作の《ナブッコ》が愛知県芸術劇場大ホールで上演されるそうだが、そのお返しにこの舞台を新国立劇場にお送りしたいものだ。
 これだけの舞台なら、東京や大阪から来て下さった皆様にも楽しんでいただけたのではないだろうか?
 地元名古屋の人間としては一安心 (^_^) 。
 
 
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