名フィル第234回定期・黛敏郎プロ
1998年2月21日(土)6:45PM 愛知芸術劇場コンサートホール

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   名古屋フィルハーモニー交響楽団第234回定期演奏会
   1998年2月21日(土)6:45PM 愛知芸術劇場コンサートホール

   指揮:岩城宏之 / 東京混声合唱団、東海メールクワイアー

   黛 敏郎 プログラム
    1)パッサカリア(絶筆・未完)
    2)饗宴
    3)曼茶羅交響曲
    4)涅槃交響曲

 現代音楽の演奏会なので会場は空いているかと予測していたが、驚いたことにほぼ満席。
 黛人気であろうか?

 演奏前に岩城さんのトークあり。
 この演奏会は97年4月10日に逝去された黛さん生前から、予定されていたものだそうだ。

 《パッサカリア》は黛さんの絶筆で、草稿が机の上に置かれていた。
 62小節まで作曲されていたとのこと。
 
 《饗宴》はシンフォニックジャズのスタイルで作曲されたもの。
 1953年、黛(24歳)は團伊玖磨、芥川也寸志と共に『3人の会』を結成した。
 その第1回演奏会で発表された作品がこの《饗宴》。

 サクソフォーン5本の巨大な楽器編成。
 アメリカ初演の指揮者はバーンスタインで、3年後の《ウェスト・サイド・ストーリー》に影響を与えているとのこと。

 《曼茶羅交響曲》は『3人の会』第4回目の作品。
 中央にピアノ・ハープ・チェレスタを置いて、左右に2つのオーケストラ。
 『3人の会』とはいうけれど、よくも40年以上前に、こんな曲に付き合ってくれるオーケストラがあったものだ。

 休憩後は《涅槃交響曲》。
 『3人の会』第3回目の作品で、日本の伝統音楽を扱う作風の転機となった曲。
 『カンパノロジー』という鐘の音から構成された第1・3・5楽章と、男声合唱によるお経のような第2・4・6楽章から成る。

 僕の席は2階最後列だったが、すぐそばに10人くらいのブラスがやって来た (@_@)。
 『お騒がせします』と言われたんだが、これが本当にうるさかった。
 トゥッティになると舞台の音が全く聞こえなくなる (^_^;。

 最後は壮大な盛り上がりで、満席の聴衆の拍手、舞台を埋め尽くしたオーケストラと男声合唱、そして岩城さんのカーテンコールを見ていると、これは記念碑的なコンサートだったのかもしれない、という気がしてくる。
 名フィルとしても20人以上のエキストラ、東混まで呼んで、経済的にも大変だったろうに、その努力には感謝したい。
 お客さんが入って本当に良かった (^_^) 。
 黛さんがご覧になったら、どれほど喜ばれたことだろう。
 
 
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