名古屋芸術大学音楽学部公演 ミュージカル《夏の夜の夢》
1998年5月23日(土)2PM アートピアホール  3000 円

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 3月の《蝶々夫人》で素晴らしい舞台を見せてくれた、名古屋芸術大学の新作ミュージカル。
 楽しみ&不安 (^_^;で出かけて参りました。

     名古屋芸術大学音楽学部公演 ミュージカル《夏の夜の夢》
     1998年5月23日(土)2PM アートピアホール  3000 円

     作:ウィリアム・シェークスピア  台本・演出:森泉 博行
     音楽・指揮:ボブ 佐久間
     名古屋フィルハーモニー交響楽団

 残念ながら、このミュージカルはあまり気に入りませんでした。
 その責任は、まず台本・演出の森泉 博行さんにあるしょうか。
 この人は少年隊ミュージカルの台本を書いている人らしい。

 このシェークスピアの戯曲は、なかなかお話が複雑じゃありませんか。
 それを手際よく纏めることが出来ていない。
 場面も、アテネの城内、郊外の森の数カ所など変わらなくてはいけないのに、現在の場面がどこなのか理解することが難しい。
 舞台は大きい足のオブジェが置かれた抽象的なもの。

 音楽・指揮のボブ 佐久間さんは、名フィル・ポップスオーケストラの指揮者として名古屋では名前を見ることが多い。
 レコード大賞、東京音楽祭の音楽監督を勤めているそうだが、全国的に有名な人なの?

 このミュージカルはセリフなしで、全て音楽で進められた。
 それだけの曲を作曲した努力は多としたいが、彼が作曲した音楽は残念ながら類型的。 アレンジは得意なんだろうが‥‥
 最初の全員の合唱(整列して歌う)から、『学芸会』という言葉が浮かんでしまう。

 オケは名フィルメンバー(レミゼサイズ)ということだが、どうして自校の学生オケを使わないんだろう? 安上がりだろうに (^_^;。
 で、このオケと歌とのバランスが悪く、歌詞が聞こえてこない。

 プログラムにストーリーも書かれていないし、これではどういうストーリーのミュージカルを見たのか、理解できない人も多かったであろう。
 妖精のパックが間違えて惚れ薬を塗ってしまったために起こるドタバタが、この劇のポイントだと思うんだが、『何やってんの?』という感じ。

 僕はこの後《 NOTHING BUT MUSICALS 》を観劇したんだが、そこで気が付いた。
 つまり、マイクのボリュームをもっともっと上げれば良かったんだ。
 それで大分印象が変わったんじゃないかな?

 でも、最後の合唱(また整列していた (^_^;)を歌っている学生達を見ると『よく頑張ったじゃないか!』と声を掛けてやりたい気持ちにもなる (^_^) 。
 これがミュージカルというか歌芝居のいいところか。
 見に行ったことに悔いはないが、もう一度行きたいかと聞かれれば、答えはNOだな (^_^;。
 
 
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