ベルリン・コミッシェ・オーパー 《ホフマン物語》
 1998年6月21日(日)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

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 僕は《ホフマン物語》を一度見たことがありまして、時は1980年8月18日、場所はザルツブルグ音楽祭大ホール。
 ザルツブルグ音楽祭大ホールに入ったのはこれ一回切りなんですが、この《ホフマン物語》は我が人生最悪のオペラ体験の一つでした (^_^;。

 演出はポンネルだったんですが(レヴァイン&ドミンゴ)、ヴェニスの場面なんか、布の上に人を乗せて(まあゴンドラのつもりなんでしょうが)引きずるものですから、ズルズルという音がうるさかったりして。
 演出だけでなく、話は分からない(字幕がないため (^_^;?)、音楽は印象に残らない、ということで早く終わってくれるのをひたすら待つ事になってしまいました。

 もっとも《ホフマン物語》観劇後は『オペラなんて苦痛だ!』と思ったんですが、翌日小劇場でディーター・ドルン演出の《ナクソス島のアリアドネ》を観て完全にノックアウトされてしまって、それから道を踏み外し始めたような気がします (^_^;。 ちなみに、ベームとグルベローヴァね。

 それはさておき、大変気に入らなかった《ホフマン物語》を、《タンホイザー》《ワルキューレ》と気に入らない舞台が続いたクプファーの演出で見るということで、本日はそれなりの覚悟をして出かけました (^_^;。

      ベルリン・コミッシェ・オーパー 《ホフマン物語》
    1998年6月21日(日)2:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

    指揮:シャオ=チア・リュー  演出:ハリー・クプファー

           ホフマン:ニール・ウィルソン
     ミューズ/ニクラウス:アレクサンダー・マルコ=ブールメスター
    ステラ/オランピア/ジュリエッタ/アントニア
                  :クラウディア・クンツ
    リンドルフ/コッペリウス/ダペルトゥット/ミラクル博士
                  :アンドルツェイ・ドッバー
    アンドレス/コシュニーユ/ピティキナッチョ/フランツ
                  :ギュンター・クルト
        ルーテルおやじ:ハンス=マルティン・ナウ
           ナタナエル:オラーフ・ハイエ
            ヘルマン:ベルント・グラボウスキー
       スパランツァーニ:クリストフ・シュペート
 シュレーミル/クレスペル:ヴォルフガング・ヘルミッヒ
        アントニアの母:コルネリア・ヴルコップ

 ステラ(他)役は、クラウディア・クンツとダクマール・シェレンベルガーのダブルキャスト。
 シェレンベルガーの方が雑誌やプログラムでも大きく取り上げられているようだが、キャスト表ではクンツの方が上に書かれている。
 この二人の関係は?
 日本初公演にファースト・キャストを出してきたということなの?

 声楽的にはホフマンの声が小さかった。
 その他のキャストには不満を感じなかった。

 クプファーの演出は覚悟通りのものだった (^_^;。
 ミューズ/ニクラウスが男性というところが新しいらしい。
 ファウストとメヒストに見えたね。
 オランピアはリモコン操作。

 有名な『ホフマンの舟歌』はジュークボックスが演奏する (@o@)。
 そして、TVにヴェニスの風景が映っている。
 まったく馬鹿馬鹿しいアイディアだと僕は思う。
 ただ座っているだけのオケが間抜けに見えた。
 しかし、前に書いたポンネルの舞台といい、この部分の演出は難しいのだろうか?

 ジュリエッタがホフマンの服を脱がせる場面があるが、僕は男の裸なんか見たくない (>_<) 。
 ミラクル博士のバイオリンは下手。

 アントニアの母親が額縁の中にいる場面や、フィナーレの斜めのスロープなど、クプファー演出のミュージカル《エリーザベト》を思い出させる部分があった。

 休憩は第3幕の後に1回。
 この時に大きなブーイングあり (@_@)。

 カーテンコールにはクプファーも出てきた。
 ブラヴォーもブーイングもあり。
 みんな元気あるなー。
 僕なんかあきれて呆然としていたのに (^_^;。

 ということで、《ホフマン物語》は字幕があっても、面白くないオペラだということを再認識しました。
 『演出の意味を考えるからいけない』といわれたんですが‥‥ (^_^;。
 
 
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