ウンベルト・ジョルダーノ 《フェドーラ》
1998年9月26日(土)5:00PM びわ湖ホール

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 びわ湖ホール柿落とし・ボローニャ歌劇場公演第2夜、日本初演の《フェドーラ》です。
 びわ湖ホール最大のセールスポイントは、ホワイエの前に広がる琵琶湖の美しさでしょう。
 休憩時間には、色とりどりの照明に輝く噴水も眺めることが出来ました(この浜大津の噴水は、時間限定みたいです)。

 ホールの内部は前方はシューボックス、後方は馬蹄型。
 床は木製で、座席も広く(つい愛知県芸術劇場大ホールと較べてしまう (^_^;)落ち着いた、気持ちのいい劇場です。
 字幕の電光掲示が大きくて見やすかったので、全国この大きさで統一していただきたいものだと思いました。

      ウンベルト・ジョルダーノ《フェドーラ》
    1998年9月26日(土)5:00PM びわ湖ホール

    指揮:ステファノ・ランザーニ  演出:ベッペ・デ・トマージ

         皇女フェドーラ:ミレッラ・フレーニ
  オルガ・スカレフ伯爵夫人:アデリーナ・スカラベッリ
     ロリス・イパノフ伯爵:ホセ・クーラ
     ジョバンニ・デ・シリエ:ブルーノ・ポーラ

 この公演はフレーニとクーラに尽きるでしょう。
 ストーリーは支離滅裂なもので、字幕を見ていると笑えるんですが (^_^;、舞台の二重唱を聴いていると、それは感激します。
 このギャップが面白かったですね (^_^) 。
 フレーニはまだまだ現役、クーラの声はデル・モナコっぽいでしょうか。
 まあ、どうしたって恋人同士には見えませんけどね (^_^;。

 しかし、このロリスって男、実に女を見る目が無い。
 最初の妻には浮気されて殺人を犯すことになり、二人目のフェドーラのために兄と母が死ぬことになってしまうんですから。
 まったく情けないばかりのキャラクターです (^_^;。

 舞台装置は3幕を通して、本質的には同じもの。
 下手側に立派な柱が並んでいます。
 第1・2幕のサロンの場面ではいいんですが、第3幕の別荘の場面ではちょっとまずいですね。
 せっかく4面の舞台を持つホールなのに残念です。

 トマージ(この名前どこかで見たような)の演出は、ストーリーをそのままヴィジュアル化したもので、ストーリーのおかしさが際立って感じられます (^_^;。
 こういうオペラこそ抽象的演出が合うような気がします。

 それから第3幕の訳詞なんですが、『あの女』はおかしいですね。
 『(手紙に出てきた)その女』でないとね。
 『あの女』ってロリス、誰のことを言っているんだ (@_@)?

 帰りの列車は着飾ったオペラ帰りと、ジャンパー姿の琵琶湖競艇帰りで超満員。
 そのギャップが面白かったですね (^_^) 。
 
 
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