ボローニャ歌劇場 《カヴァレリア・ルスティカーナ》
1998年9月27日(日)2:00PM びわ湖ホール

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  ボローニャ歌劇場 《カヴァレリア・ルスティカーナ》
       1998年9月27日(日)2:00PM びわ湖ホール

        指揮:マッシモ・デ・ベルナール
        演出:リリアナ・カヴァーニ

        サントゥッツア:アグネス・バルツァ
        ローラ:サラ・ム・プンガ
        ルチーア:アントネッラ・トレヴィザン
        トゥリッドゥ:ホセ・クーラ
        アルフィオ:カルロ・グエルフィ

 最初に舞台裏からクーラの歌声が聞こえてきたときには、ゾクゾクしましたね。
 しかしそれからがいけません。
 開幕の合唱はまず第一部が舞台裏で歌われました。
 そしてコーラスが舞台に現れ、整列して第二部を歌います。

 これ以後もコーラスの扱いは出番になると現れて、歌い終わると舞台裏に去るという拙劣なもの。
 上手にある教会に入らず、下手に去っていくコーラスも多く、『復活祭の日に教会で祈らずに、何処へ遊びに行くんだ!』と叫びたい思いです。

 映画『愛の嵐』で有名なリリアナ・カヴァーニですが、この時点で彼女の演出に対する期待は吹っ飛びました。

 こうなると僕の期待はバルツァとクーラの歌声と演技だけになります。
 バルツァは硬質な歌声で、もっと怒鳴るのか?と思っていた僕には意外でしたが、素晴らしかったのではないでしょうか。
 で僕が大好きな、『私を捨てないで!』『おまえなんかあっちへ行け!』という美しい二重唱になったんですが、そこでは目を疑う演技が繰り広げられました。

 二人が抱き合って歌うんです (@o@)。
 激しい接吻もあったような (@o@)。
 ここはすがりつくサントゥッツァを何度も蹴飛ばしてもらわないと (^_^;、何とも納得いたしかねます。

 この辺りのクーラには、表現力の不足を感じましたが、しかしこれらはすべてリリアナ・カヴァーニの演出の責任でしょう。
 せっかくのバルツァとクーラの《カヴァレリア》なのに、カヴァーニのために残念な結果となってしまい、全く無念です。
 
 
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