パーセル・クヮルテット・オペラ・プロジェクト
モンテヴェルディ 歌劇《ポッペーアの戴冠》
1998年10月3日(土)4:00PM 京都府八幡市文化センター

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 八幡市民文化センターからチケットが送られてくるまで、会場は近江八幡だと思いこんでおりました (^_^;。
 八幡(やわた)市は京都市の南方にあり、《徒然草》に『仁和寺にある法師、年よるまで石清水を拝まざりければ‥‥』とある石清水八幡宮がある街。
 ということで、京阪電車八幡市駅前にある男山ケーブルに乗って石清水八幡宮に参拝してきました。

 駅前に戻って乗ったバスはオペラの観客でラッシュアワー状態。
 『料金は190円です。お釣りはありませんので各自準備して下さい』との放送で、車内はパニックになっておりました (^_^;。

   パーセル・クヮルテット・オペラ・プロジェクト
 モンテヴェルディ 歌劇《ポッペアの戴冠》全3幕
    1998年10月3日(土) 4:00PM
     京都府八幡市文化センター

     ポッペーア:ジュリア・グッディング
      ネローネ:ギ・ド・メイ
     オットーネ:アクセル・ケーラー
   オッターヴィア:スーザン・ビックリー
 アルナルタ/乳母/
    メルクーリオ:ドミニク・ヴィス
 ドルシッラ/徳/
   侍女/ヴェネレ:スージー・ル・ブラン
      セーネカ:リチャード・ウィストライヒ

        演出:ピーター・ジェームズ
      音楽監督:リチャード・ブースビー

 観客の入りは9割くらい。
 バロックオペラの会場としては少し大きすぎるでしょうか?

 装置は2階建ての抽象的なもので、1階にはカーテンが掛かっています。
 衣装は現代的なもの。

 舞台の上手側に7人のバロックオーケストラ。
 バイオリン2人(達人!)、ヴィオラ・ダ・ガンバ、チェンバロ。ここまでがパーセル・クヮルテット。

 あとは、テオルボ、キタローネ、バロック・ハープ。
 このリチャード・ブースビー(ヴィオラ・ダ・ガンバ)率いるパーセル・クヮルテットを聴くのは《ダイドーとエーネアス》以来2回目なんですが、相変わらず上手なものです。

 歌手で一番気に入ったのはドミニク・ヴィス。
 脇役的な役柄ですが、その人に成りきったコミカルな演技がおかしいの (^_^) 。
 OL風の赤いツーピースを着たアルナルタ(ポッペーアの乳母)なんて、すごく綺麗ですよ。

 ポッペーアのジュリア・グッディングはタイトルロールとしては少し弱いか?
 ネローネのギ・ド・メイは良かった。
 ネローネって原曲はソプラノ・カストラートなんだそうです。

 オットーネのアクセル・ケーラーは《こうもり》で見た髭がないのでビックリ (@o@)。
 声量が少し足りないかな?
 オッターヴィアのスーザン・ビックリーには、声、演技とも感心しました。

 ドルシッラのスージー・ル・ブランは可憐。
 オットーネに衣装を貸すところは、なんと舞台上でスリップ姿にされておりました (@o@)。
 この演出、女性の露出度が高いような気がしましたですね (^^ゞ。

 セーネカのリチャード・ウィストライヒは、高い音になるとバスじゃなくなってしまい、少々不満を感じました。

 全体としてこの公演には大変感心しました。
 登場人物の心の動きは17世紀の作品とは思えないほど生々しいし、モンテヴェルディの曲がまた良い。
 バロックオーケストラに現代の衣装ということで、ミスマッチか?とも思ったんですが、適切な演出が付けば全く問題ありませんね。

 この公演に合わせるかのように出版された塩野七生さんの『ローマ人の物語(VII)』を立ち読みした (^_^;所では、どうもストーリーは史実とは違うようで

 62年:セーネカが政界から引退。 ネロがオッターヴィアを離婚・追放
     そして暗殺。 ポッペーアと結婚。
 65年:セーネカ、ネロ暗殺に荷担した疑いをかけられ自殺。
     ポッペーア死亡。
 となっておりました。

 16時開演  第1幕(75分)  休憩20分  第2・3幕(95分)ということで、終演は19時30分、所要時間は3時間30分でした。
 
 
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