《レント・ジャパン》 シアタードラマシティ
1998年10月10日(土・祝) マチネ&ソワレ

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 びわ湖ホールのボローニャ歌劇場、京都府八幡市の《ポッペーアの戴冠》、そして《RENT》と、毎週関西遠征が続いております。

 先週の《ポッペーアの戴冠》が初演されたのは1642年、今週の《RENT》が1996年というんですから、守備範囲の広さに我ながら疲れてしまいます (^^ゞ。

 思い返せばあれは1996年の春のこと。
 その頃ニフティの海外ミュージカル会議室で紹介していただいたオフオフBWの《RENT》には、《ラ・ボエーム》ファンの僕としては大変興味がありました。

 でその頃、初めてのNY旅行を前に(《ファンタスティックス》が目的だった)僕はチケットの手配をしていたんですが、《オペラ座の怪人》が取れず、5月2日が空いてしまいました。

 で、パラパラと見ていた『シアター・ガイド』で《RENT》BWに進出!という記事を見つけました。
 この記事によれば、どうもGWの頃にオープンするらしい。
 で、すぐに電話に飛びついてカーテンコールに依頼したら、取れたんですね空いていた5月2日の《RENT》が (^_^) 。

 この舞台については7番会議室にレポートしたんですが、読み直してみると間違いが多い。
 英語能力が不足しているからね (^_^;。
 しかし、ミュージカルの歴史に残る大傑作をオープン直後に見ることが出来たのは、まったくラッキーなことでした。

     《レント・ジャパン》 シアタードラマシティ
   1998年10月10日(土・祝) マチネ&ソワレ

      ロジャー:宇都宮隆 渡辺忠士
       マーク:山本耕史
         ミミ:浜口司
      コリンズ:石原慎一
     ジョアンヌ:坪倉唯子
    エンジェル:KOHJIRO
    モーリーン:森川美穂
      ベニー:KONTA

 やっとジャパン・レントを見ることが出来ました。
 マチネは渡辺ロジャーで、入りは半分くらい。
 (来てくれた人にありがとうってお礼が言いたかったよ (^_^;)

 ソワレは宇都宮ロジャーで9割の入り。
 やはりソワレの方が、ずっと観客の反応が良かったですね。

 ロジャーは、どちらも素晴らしいと思いました。
 渡辺さんはハンサムで、声の持つパワーがすごい。
 こういう声が聴けるのは、耳の悦びですね。

 一方、宇都宮さんは演技がこなれている。
 だから、ミミとの二重唱なんか、宇都宮さんのほうがスッと心に入ってくる。

 しかし二人とも、AZTブレイクの場面は、もっとびっくりしてほしいと思いました。
 それから『グッドバイ・ラブ』で、振り返るとミミがいるところもね。
 ギターはちゃんと弾けていたような気がするけど、ぎこちない?

 そうそう、フェンダー・ギターってどういうギターなの?
 売れば車が買えるほど高いギターって?
 ロジャーって2台ギターを持っていたよね。 そのどちら?

 ミミの浜口さんも良かった。
 『心を開いて』っていうところ、ジーンと来たな。
 ちょっと小柄だけれど『14番街からこちらでは最高のお尻 (^_^) 』というスタイルも良かったしね。

 『グッドバイ・ラヴ』では『ハロー・エイズ』って歌ってました。

 最後の復活する場面は、急に元気になっちゃうので違和感を持つ人がいるのでしょうか?
 徐々に復活した方がいいような気もするんですが、『月を越えてジャンプ』し
なくてはならないからな‥‥。

 山本マークは上手以外に言う言葉がないね。
 彼をナレーターのマークにキャスティング出来たことは幸せなことでした。
 そうそう、マークってユダヤ人みたいですね。
 それから『ラ・ヴィ・ボエーム』で、『ムゼッタのワルツですよね?』って言ってた?

 坪倉ジョアンヌも言うことないな。

 ベニーのKONTAはセリフが聞き取りにくい。
 重要な台詞が多いからね。

 それより、ベニーで僕が気になったのは人種の問題。
 BWではベニー、コリンズ、エンジェル、ジョアンヌが黒人だったでしょう?
 まあ、日本公演でそれにこだわらなかったのは一つの見識だとは思うけれど、ベニーの場合はアリソンとの結婚によって上流階級に入っていくということで、黒人ということに特に意味があったかも。

 KOHJIROのエンジェルは僕の予想をはるかに超えた素晴らしさだった。
 綺麗だし、モンローウォークしてるし、歌は上手いし、彼ならトニー賞だって獲れるでしょう。コートを買う場面なんか、あんまり優しくて泣けたよ。

 コリンズと本当にディープキスしてたね。
 どうするのか、興味津々だったんだ (^_^) 。
 『ボーイスカウトからガールスカウト』というところは、マチネは関西弁バージョン、ソワレは『だっちゅうの』。
 アレクシー・ダーリンの電話はマチネソワレとも『だっちゅうの』だったね

 石原コリンズはイメージと違った。
 BWのコリンズは黒人の大きい人だったでしょう?
 歌に不満はないが、見た感じが目立たないという印象。
 これは服装のためかも知れない。

 森川モーリーンはBWのモーリーンより良かった。
 BWでは、パフォーマンスの英語分からなかったからな (^^ゞ。
 まあ、日本語で聞いても何やってんだか分からなかったけど (^^ゞ。

 MOOOOOOOOっていうところ、観客の反応によっていろんなパターンがあるみたいだね。
 マチネでは客席まで飛び込んでいったよ (@o@)。
 しかし、最初は照れてる観客に最後はMOOOOOOOOって言わせちゃうんですから、大したものです (^_^) 。

 日本語歌詞の問題ですが、僕はあまり気になりませんでした。
 どうせ聞き取れないからね (^_^;。
 一応『このミュージカルを何とか理解したい』と予習もしたし。

 気になったところでは、パワーブローズは停電と言ったほうがいいのでは?
 その方が、ミミがろうそくの灯をもらいに来る理由が分かりやすいでしょう?
 どうしてシスターは妹で、ブラザーはブラザーなの?

 それから、コーラスで『HONEST LIVING』って繰り返すところ、『真面目に生きてる』って歌っていましたっけ?
 息切れするところが受けていましたが (^_^) 。

 マチネとソワレを見終わって改めて感じたのは、日本人ロックミュージシャンの実力の高さですね。
名前も知らない人ばかりなのに、ソロも、重唱も、コーラスも、素晴らしいばかりで、ただ驚くほかはありません。
 この公演をBWに持っていっても、十分通用すると思いますよ。
 ジョナサン・ラーソンの奇跡とも言うべき偉大な遺産を、このような素晴らしいキャストで日本公演していただいたことに心から感謝したいと思います。

 マチネとソワレの間に劇場近くのイタリアンレストランに入ったんですが、そこに《RENT》のメンバーが (@_@)。
 うちの奥さんが張り切って (^_^;、山本耕史、KOHJIRO、MITCH、Tina、QOMOlangma の皆さんにサインをして頂きました。
 このプログラム、大事にしなくてはね (^_^) 。
 
 
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