森 潤子 《虹ひげ公と七色の妻》
1998年11月21日(土)6:30PM しらかわホール

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      《森 潤子・創作オペラの夕べ》
 1998年11月21日(土)6:30PM しらかわホール

 作曲者の、森潤子さんは東京芸大作曲家卒。
 カーテンコールで見たところでは、ショートカットの中年女性に見えた。
 台本の 宇佐木るび枝 は、森さんの台本筆名。

 演出の池山奈都子さんは僕のお気に入り。
 指揮の倉地竜也さんには、かつて我がオケの指揮をしてもらったことがある。

 第一部 《北風のわすれたハンカチ》全一幕二場 約30分

 雪の精:鈴木秀代   霜の精:夏目久子   氷柱の精 :伊藤美知子
 く ま:佐々木明美  北 風:古田真寿美  北風の少女:石川能理子

 原作は安房直子。
 人間に両親、兄妹を殺されたくまさん(動物の熊ね)が、一人で暮らしているところに、北風がやって来てやがて去り、北風の少女がやって来てやがて去る、というお話。

 このオペラは繊細で美しい曲かと思ったが、結局くまさんは孤独な一人暮らしというわけで、自分の老後を考えて少し憂鬱になってしまった (^_^;。

 第二部 《虹ひげ公と七色の妻》全一幕十八場 約70分

 虹ひげ公:長柄孝彦  イリス:橋爪圭子  サルビア:夏目久子
 カンナ :滝沢 博  ダリア:鈴木秀代  若 草 :寺本久美子
 つゆくさ:松原 敬  シーラ:伊藤美知子

 御存知、ペローによる青ひげ公物語。
 新妻はイリスで、サルビア以降は一番目から六番目までの妻。
 虹ひげ公は髭が虹の七色で、妻達も虹の七色。

 イリスはシリアスなんだが、かつての妻達はコメディタッチで、それぞれキャラクターがはっきりしていて面白い。
 サルビアは浮気者、カンナはイライラ短気、ダリアは大食漢、若草はおしゃべり、つゆくさは爬虫類好きの陰気、シーラは潔癖すぎて虹ひげ公を寄せ付けない、とそれぞれのキャラクターをはっきり思い出すことが出来るくらいだから、かなりインパクトは強かった (^_^) 。

 それぞれ殺されて去って行くところでは(殺され方まで覚えている)、ほぼ満席の客席から盛大な拍手が起こっていた。
 キャスト表を見て分かるとおり、二番目と五番目は女装の男性で、場内爆笑、大いに受けていた (^_^) 。
 これは成功作ではないだろうか。
 
 
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