五嶋みどり・ヴァイオリン・リサイタル
1998年12月6日(水)6:45PM
愛知県芸術劇場コンサートホール

「REVIEW98」に戻る  ホームページへ
 
 
 初来日のコンサート(1987年?・16歳?)を聴いて以来、僕は五嶋みどりこそが世界最高のヴァイオリニストだと確信しております。
 彼女が拒食症で入院し、演奏活動を中断したことは『絶対音感』(最相葉月)や『母と神童』(奥田昭則)にも詳しく書かれていますが、ここが天才の苦しいところですね。
 僕は『みどり教育財団』のような活動をしなくてはならないところが、彼女の精神的な不安定さの表れだと思っていました。

       五嶋みどり・ヴァイオリン・リサイタル
       1998年12月6日(水)6:45PM
       愛知県芸術劇場コンサートホール

      シュニトケ :古い様式による組曲
      バルトーク :ヴァイオリン・ソナタ 第1番
      ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ ト短調
      フランク  :ヴァイオリン・ソナタ イ長調

      ピアノ:ロバート・マクドナルド

 チケットはソールドアウト。
 満席の観客からの拍手は、音が大きいだけでなく風圧のようなものを感じます。

 久しぶりに見る彼女(27歳?)は、やはり痩せていました。
 プログラムの写真と較べると、痛ましいほどです。
 天から才能を与えられるということは、何と辛いことでありましょう。

 しかし、相変わらず彼女のヴァイオリンは素晴らしかった。
 少しの弓の動きで、どうしてあのように深みのある音を出すことが出来るのでしょう?

 曲に没入して演奏している姿は、まるで自分の命を削って演奏しているかのようです。
 いつまでもこのような演奏活動が出来るものなのだろうか? という不安を感じてしまいました。

 やはり一番有名なフランクが盛り上がったんですが、第2楽章が終わったところで盛大な拍手が沸き上がったのには驚きました (@o@)。
 まあ、拍手がしたくなるほどの盛り上がりだったことは確かですね。
 彼女は‥‥楽譜をめくっていました (^_^) 。

 アンコールはチャイコフスキーの《メロディー》と、クライスラーの《シシリアーノとリゴードン》。
 これらもアンコールらしい有名な曲なんですが、僕としてはサラサーテやヴェニアフスキーの超絶技巧の曲が聴きたかった(見たかった?)。
 まあ、プログラム自体が長大でしたから、あまり文句は言えませんね。

 
 
「REVIEW98」に戻る  ホームページへ