《ドン・カルロ》全五幕
1999年1月17日(日)2PM びわ湖ホール

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 僕はヴェルディが苦手で、《ドン・カルロ》と《運命の力》の区別が付かない。
 予習のため自宅のビデオを探していたら、カラヤン指揮のテープを発見。
 ベータマックスだから古いよね。
 しかし、これで予習したのは失敗だったかもしれない。
 フルラネット(フィリポ2世)とかサルミネン(宗教裁判長)とか、凄い声なんだもの。

 前回のボローニャ歌劇場公演の時には三井寺に行ったので、今日は膳所の駅で降りて義仲寺に寄ってみた。
 義仲寺はびわ湖ホールに近く、木曽義仲と松尾芭蕉のお墓にお参り。

 今日の名古屋は新幹線から木曽の御嶽山が見えるほどの快晴だったが、びわこホールのロビーからもよく山が見えた。
 左手には比叡山から比良山系、正面に見える八幡山の後ろには白い雪に覆われた伊吹山。

        《ドン・カルロ》全五幕
  1999年1月17日(日)2PM びわ湖ホール

       総監督・指揮:若杉 弘
            演出:鈴木 啓介

       フィリポ2世:小鉄 和広
       ドン・カルロ:佐野 成宏
        ロドリーゴ:大島 畿雄
       宗教裁判長:松下 雅人
   教父(カルロ5世):佐野 正一
       エリザベッタ:緑川 まり
        エボリ公女:永田 直美

       管弦楽:京都市交響楽団
        合唱:びわ湖ホール声楽アンサンブル
           東京オペラシンガーズ

 さて今回の《ドン・カルロ》公演の売り物は五幕版の日本初演。
 ただの五幕版ではなくて、第一幕の序奏、木こりたちの合唱、第三幕の仮面舞踏会なども復活されており、世界でもっとも長い《ドン・カルロ》の上演だったであろう。

 これらの復活のためストーリーが分かりやすくなった面もあるが、なぜ第一幕がカットされるようになったかも分かったような気もした (^_^;。
 まあ《ドン・カルロ》の全てを見せていただいたという満足感はありましたね。
 開演は午後2時で、第二幕と第三幕の後に休憩がそれぞれ20分あり、終演は6時30分。

 キャストで気に入ったのはタイトルロールの佐野さん。
 リリコスピントの声はどこまでも伸びていくような、爽快なものだった。
 昨日も見た人の話では、エリザベッタは浜田理恵さんの方が役に合っていたそう
だ。
 緑川さんにはもう少し痩せてほしいな。

 鈴木さんの演出は常套的というか焦点が合っていないというか暗すぎてよく分か
らないというか、いずれにせよ気に入らなかった。
 若杉さんの音楽もイタリアらしさが無かったような気がするが、もともとそういう音楽なのかな?

 びわ湖ホールプロデュースオペラ、次回は10月のヴェルディ《群盗》日本初演。
 今度は石山寺の紅葉とセットだな。


 それは第三幕第一場での出来事でした。
 携帯電話が鳴っているような気がしたんですよ。
 『音が無いところで鳴ると困るな』と心配していたんですが、果たしてオケが止まったところで鳴ってしまいました。
 『早く止めればいいのに』と思っていたんですが、これが止まらない。
 と、ドタドタ!という音が聞こえてきて、お姉さんが階段を駆け上がって、僕の目の前を通って、出口へ飛び出したんですよ (@o@)。

 あれはいったい何だったのでしょう?
 電源の切り方を知らないんでしょうか?
 あれくらい目立つと、腹が立つより面白かったですね (^_^) 。
 このお姉さん、第一場と第二場との間の小休憩にも、係員に遠慮してか場内に戻れなかったんですよ(というところまで、しっかり観察してしまった (^^ゞ)。
 
 
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