M・フレーニ 《ラ・ボエーム》 1999年2月27日(土)17:00 よこすか芸術劇場 |
ラ・ボエーム(横須賀 2/27) 僕は《ラ・ボエーム》は大好きなんだが、そもそもこのオペラを最初に聴いたのはカラヤン&フレーニのLP(1973年)。 最初に見た舞台がクライバー&フレーニのスカラ座来日公演(1981年)。 ということで、僕にとってミミはフレーニと一体化している。 そのフレーニのミミを見ることが出来る最後の機会となるであろう今回の公演は、どうしても見逃すことが出来ないものであった。 12:53 名古屋発 15:20汐入着。 駅から出たところで目の前に『当日券あり』の看板が‥‥そんなものかな (@_@)。 ドブ板通り散策後、ダイエーから横須賀港を眺めて、これで市内観光は終わり。 ホールに向かった。 ホール前に掲示があって『ニコライ・ギャウロフ急病のためコッリーネ役は矢田部一弘が歌います』とのこと (@o@)。 どうも熱を出したらしい。 残念だが、仕方が無いか。 フレーニ休演なら人生の一大事なんだが‥‥ (^^ゞ。 よこすか芸術劇場はヨーロッパの歌劇場のような馬蹄形の客席。 しかし、ロビーも客席も狭苦しい。 そういうところもヨーロッパの歌劇場らしいところであろうか (^_^;。 一階ロビーには横須賀市在住の団伊玖磨さんの記念コーナーがあり、《夕鶴》 《TAKERU》などのスコアが展示されていた。 ロビーの片隅に小泉純一郎代議士が一人でポツンと立っていたが、後に彼が総理大臣になろうとは、夢にも思いませんでした。 《ラ・ボエーム》藤原歌劇団 1999年2月27日(土)17:00開演 よこすか芸術劇場 総監督:五十嵐 喜芳 指 揮:ステファノ・ランザーニ 演 出:ベッペ・デ・トマージ ミミ:ミレッラ・フレーニ ロドルフォ:ロベルト・アローニカ マルチェッロ:堀内 康雄 ムゼッタ:陳 素娥(Sue Chen Panariello) コッリーネ:矢田部 一弘 ショナール:豊島 雄一 管弦楽:新星日本交響楽団 合 唱:藤原歌劇団合唱部・多摩ファミリーシンガーズ お目当てのフレーニは期待通り素晴らしかったんだが、それより彼女のミミをまた見ることが出来たこと自体が何よりの喜びだった。 もちろん歳は取っているんだが、『フレーニが歳を取った』というより『ミミが歳を取ったな』という印象。 ミミとフレーニは一体化しているからね (^_^) 。 『ミミが歳を取った分、自分も歳を取っているのか』とか、今までの自分の音楽人生とか、いろいろ考えてしまった (^^ゞ。 しかし、フレーニ以外には不満が多い公演であった。 ボヘミアン達はおじさんぽくって、青春の歓びみたいなものが感じられない。 《RENT》を見過ぎた副作用であろうか (^_^;。 声も客席まで届いて来ない印象だ。 ムゼッタも真面目過ぎて、キャラクターが違うのでは? ベッペ・デ・トマージの演出はどの幕も舞台を左右に分けたコンセプト。 第二幕は左半分がカフェ・モミュスで、右半分がカルチェ・ラタンの街となっていて面白かったが、成功しているかどうかは別の話だな。 この演出を見た人が誰でも不思議に思うのはロドルフォたちの部屋だろう。 本来は屋根裏部屋のはずなのに、右側の通路から出入りするため一階に見えてしまう。 第四幕では舞台奥から借金取り(?)が入ってきて (@o@)、荷物を運び出したりするし。 ベッドまで運び出そうとするので驚いたよ。 もっと驚いたことには『おいやめろ!』とかいう台詞まで入っているようなんだな。 作詞したのだろうか? 新しい試みかとは思ったが、あまり名案とは思えなかったな。 カーテンコールはもちろんフレーニに大歓声だったんだが、途中でマイクを持った五十嵐さんが登場。 『今日はフレーニさんのお誕生日です』とのことで、また会場は大いに盛り上がった (^_^) 。 バースデーケーキの登場とオケによる『ハッピーバースデイ』の演奏。 びっくりしたフレーニが感激の涙を拭いたりして。 彼女にとっても忘れられないであろう機会を共有できて、たいへん嬉しかったですね (^_^) 。 第二幕の後に30分、第三幕の後に20分の休憩があって、終演時間は8時頃でした。 |