名古屋国際音楽祭オープニング・ガラ・コンサート/ディーヴァの夕べ
 1999年4月4日(日)4:00PM 名古屋市民会館大ホール

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 今年も名古屋春の音楽シリーズ、名古屋音楽祭が始まりました。
 どうも最近は面白い演目が少なくて残念です。
 来年はモンテカルロ歌劇場《椿姫》ゲオルギウ、とかいう話を小耳に挟みましたが‥‥でも、これは未確認情報だから。

 名古屋国際音楽祭オープニング・ガラ・コンサート/ディーヴァの夕べ
 1999年4月4日(日)4:00PM 名古屋市民会館大ホール

  指揮:本名 徹次  管弦楽:名古屋フィルハーモニー交響楽団

 本日のトップバッター、アンナ・クオさんは松本美和子さんのお嬢さんで、イタリア国籍。
 このコンサートが日本デビューになるそうです。
 本人は20歳と言っていたそうですが、アナウンスでは21歳になっていました。
 どうして (^_^;?

 二世歌手といえば思い出すのが《ラ・ボエーム》で不評だった五十嵐嬢。
 クオさんもそんなものかな、と覚悟しておりました。
 ステージに出てきたところでまずガッカリ。
 20歳というのに体の幅が大きいのね (^_^;。

 しかし、その演奏は素晴らしかった (^_^) 。
 第一部は『私の名はミミ』。
 深みのあるなめらかな声で声量も大きく、役も手の中に入っており、完全に圧倒されました。
 フレーニのミミも良かったけれど、若い娘のミミもいいものです (^_^) 。

 第二部のマスネー《ル・シッド》『泣け泣け、わが瞳よ』という曲は初めて聴きましたが、こんな歌唱をされてはどんな曲でも名曲に聞こえてしまいます (^_^) 。
 彼女が少し声に力を込めれば、僕はノックアウト状態 (^^ゞ。

 僕は彼女は今でも世界のトップクラスのソプラノだと確信します。
 7月には読売日本交響楽団と共演する予定なので、ぜひ東京の皆様にも聴いていただきたいと思います。
 名古屋へは10月のプラハ・ナショナル・オペラの《カルメン》のミカエラ役。

 クオさん体調不良のため、リューのアリアがカットされたのは返す返すも残念でした。
 関係者の話では、ゲネプロではほとんど声を出さなかったそうです。

 これで割を食ったのが、次に歌った佐藤美枝子さん。
 声の質が違う。 針金みたいに聞こえてしまう。
 第一部『ジルダのアリア』、第二部《ルチア》『狂乱の場』。
 チャイコフスキー・コンクールで優勝した《ルチア》の方が良かったですね。

 天羽明恵さんは、第一部《ラクメ》『鐘の歌』、第二部《清教徒》『あなたの優しい声が』。
 がんばっていましたね。

 松本美和子さんは、第一部《ルサルカ》《マノン・レスコー》、第二部《ファウスト》。
 母娘で《フィガロの結婚》の『手紙の二重唱』も歌われました。

 バイオリンの小林美恵さんは好きなんですが、第一部 ラロ《スペイン交響曲・第1楽章》、第二部 ショーソン《詩曲》。
 情熱的な演奏で、《詩曲》の方が彼女の音楽性に合っているような気がしました。
 この曲は昔から大大好き (^_^) 。

 ピアノの伊藤恵さんも好きなんですが、本日の ラフマニノフ《ピアノ協奏曲第2番・第1楽章》は、あまり面白くありませんでしたね。
 楽器よりも歌の方が面白いと思う、今日この頃です (^_^) 。
 
 
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