ミュージカル座 《ルルドの奇跡》 六行会ホール
1999年4月25日(日)0:00PM 5:00PM

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 ミュージカル会議室で評判のミュージカル座を、一度は見てみたいと思っておりました。
 今回の《ルルドの奇跡》は史実自体に興味もあり、この機会に東京まで遠征することにしました。
 本日が千秋楽。
 新幹線代の有効利用ということで、マチネ・ソワレ2回の観劇です。

    ミュージカル座《ルルドの奇跡》六行会ホール
    1999年4月25日(日)0:00PM 5:00PM

 会場の六行会ホールは客席約250という小さいホールで驚きました。
 補助椅子も出て、満席状態。
 そうそう『りっこうかい』というフリガナは付けておいていただきたかったですね。
 104に聞いてもホールの電話番号が分からず、苦労しましたよ (^_^;。

 1858年2月11日、ピレネー山脈の麓ルルドの街に住む貧しい娘ベルナデット(14歳)は、マッサビエルの洞窟で聖母マリアを見る。
 聖母マリアの指示で掘った泉から湧き出る水は病人を治し、人々が泉へそしてベルナデットのもとへ押しかける。
 その生活に疲れたベルナデットは22歳のときにフランス中部ヌヴェールにあるサンジルダール修道院に入る。
 彼女は生来からだが弱く、1879年4月16日、35歳の若さで死亡する。

 死後30年経って掘り起こされた彼女の遺体は腐敗しておらず、ピオ10世によって聖列に加えられる。
 ベルナデットの遺体は今でもサンジルダール修道院に、薄いロウで覆われた美しい姿のまま展示されている。

 ハマナカトオルさんの台本は史実を忠実に辿りながら笑いと涙を組み合わせたもので、その正統的な作りには好感を持ちました。
 僕はオペラやミュージカルで人を感動させるのは『愛と戦いと死』だと思っているんですが、そういう要素無しでこれだけのドラマを作り上げたんですからね。
 演出も手際のよいものでした。

 マチネはB組で、ベルナデットは狩俣咲子(かりまたさきこ)さん。
 ミュージカル座のキャストは一部弱い人もありましたが、なかなかのレベルかと思いました。
 舞台を埋め尽くした人数にも驚きました。

 山口さんの音楽は台詞なしで全編を音楽で統一したもの。
 ロイド・ウェッバーやクロード・ミシェル・シェエーンベルクを思い出させるロマンチックな音楽です(だんご三兄弟の様な音楽もあったような (^_^) )。
 伴奏は録音で、キーボードとドラムが主体。

 中でもテーマ曲となる『ベルナデットの歌』というナンバーは実に美しかった。
 『あなたの名はベルナデット、ルルドの街で‥‥』とかいったかな?
 ハマナカさんも「神からの啓示を受けた曲」と書いておられました。

 ソワレのベルナデットは伊東恵里さん(A組)。
 10年くらい前に《夢から醒めた夢》のCDを聴いたことがあって(あまり上手くなかったような記憶が)、それ以来、いつかは舞台を拝見したいものだと思っておりました。

 僕はいつもは一番後ろの席が好きなんですが、なんとソワレは最前列に座ってしまいました。
 階段の前で、靴下を脱いだ伊東さんの素足も、しっかり拝見させていただきました (^_^) 。
 伊東さんは歌も演技もベルナデットそのものに見えました。
 (伊東さんはこのミュージカルをきっかけとして、カトリックに入信されました)

 ということで、このミュージカルには大変感動しました。
 再演の時はカトリック教会とタイアップしたらいいと思いますよ。
 観客動員が出来ればもっと大きい劇場でロングランも可能になるし、信者の方には必ず感動して頂けると思います。
 そしてゆくゆくはローマ法王に観劇していただいてですね (^_^) 、世界に飛び立っていただきたいものだと思います。
 
 
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