チェコ国立ブルノ歌劇場オペラ 《カルメン》全4幕
1999年6月12日(土) & 13日(日) 愛知芸術劇場大ホール

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 ブルノ歌劇場の《カルメン》に昨日、今日と行ってきました。
 名古屋でオペラが上演されることは少ないので、行けるものは全て行っておかないと、という覚悟ですね (^_^) 。
 キャストの違いが分かって、面白かったですよ。

    チェコ国立ブルノ歌劇場オペラ 《カルメン》全4幕
       愛知県芸術劇場大ホール

     1999年6月12日(土)18:00
     1999年6月13日(日)14:00

     演出:ラディスラフ・シュトゥロス
     指揮:ヤン・ズバヴィテル(土)
        ヤン・シュティフ (日)

    カルメン:イトゥカ・サパラ・フィシェロバー(土)
         ヴィクトリア・マイファトヴァ  (日)

   ドン・ホセ:フランチェスコ・ペトゥロッツィ(土)
         エルネスト・グリサレス    (日)

    ミカエラ:マーリア・トゥカドゥルチーコヴァー(土)
         イヴェッタ・タンネンベルゲローヴァ(日)

  エスカミーリオ:ウラディミール・フメロ(土)
            リハルド・ハーン(日)

 舞台装置はコロシアムのような円形劇場。
 序曲の死のテーマの部分でカルメンが現れるが、そのとき円形劇場の2階を歩いているパンダ顔の男に注意しておくこと。
 闘牛士の格好をしているが、彼はエスカミーリオではない。

 最初の印象として、すごく静かな《カルメン》。
 これはどうも常套的な演出に問題があるようだ。
 歌っている人以外は突っ立っているだけ。
 合唱団の動きも段取り通り動いているだけで、《カルメン》に必要な熱気が感じられなかった。
 むしろ突っ立ている人がいない方が舞台が充実してくる。
 その意味では一人で歌うミカエラのアリアが一番集中して聴けたりして (^_^;。

 合唱団は人が少ない。
 兵士たちが退場して、しばらくすると町の人の衣装で現れる。
 だから、兵士と町の人が一緒に登場することはないわけだ (^_^;。
 第4幕の闘牛士たちの入場は『闘牛士たちがやってきた!』という歌詞なのに誰も出てこない。
 で、『最後を飾るのはエスカミーリオ』ということで、エスカミーリオだけが一人で現れるの (^_^;。

 しかし、僕はブルノ歌劇場を非難するつもりは毛頭ない。
 『少ない人数でがんばっているじゃないか』と好意的に見ていた。
 しかし、主催者の姿勢については気に入らない。
 このような少人数の歌劇場公演にしては料金設定が高すぎると僕は思う。
 4階最後列で1万円だったが、旅費や運搬費用を入れても5千円くらいが適当なところなのでは?

 静かな(熱気がない)印象を持ったのは、ゆっくり目のテンポを取る指揮者のためもある。
 どちらかというと、今日のシュティフの方が良かっただろうか。

 カルメン役、フィシェロバー(土)は、お姐さん風で声にドスがあった。
 マイファトヴァ(日)はもう少し美人タイプ。
 僕は美人の方が好きなんだが (^^ゞ、今日の舞台の方が面白かったのは、この人の演技が良かったためもあるだろう。

 例えば、カルメンがホセに花を投げる場面。
 (土)のカルメンは少し離れたところからホセを見つめ、花を投げた(ホセは受け損なっていたけど (^_^;)。
 これではカルメンがホセに興味を持つ心理が分かりにくい。
 (日)のカルメンはもっとホセに近ずき、花で足から体まで撫で上げ、顔を背けたホセに花を渡す。
 この方が二人の関係が分かり易いと思う。

 ホセは二人ともちょっとね。
 ミカエラはトゥカドゥルチーコヴァー(土)が良かった。
 エスカミーリオはフメロ(土)の方が格好いい。
 声は二人とももう少し‥‥。

 でも最後はちょっと変わった趣向で盛り上がった。
 カルメンが刺されると照明が赤くなるのは好き。
 
 
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