シャルル・デュトワ 『モントリオール交響楽団演奏会』
1999年6月20日(日)2:00PM サラマンカホール

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 僕はフルートという楽器が好きではありません。
 僕がレコードを聴き始めたのはランパルの時代。
 彼のふわっとした音が中身のない感じで、どうしても好きになれなかったわけです。

 その僕が驚嘆したのが、TVで見たティモシー・ハッチンス。
 曲は《ダフネスとクローエ 第2組曲》で、あれはモントリオールSOの初来日だったのでしょうか?
 そのハッチンスの《牧神の午後への前奏曲》が聴けるとは千載一遇のチャンス、ということで、岐阜・サラマンカホールへ行ってきました。

     《モントリオール交響楽団演奏会》サラマンカホール
     指揮:シャルル・デュトワ バイオリン:諏訪内晶子
       1999年6月20日(日)2:00PM

         ラヴェル:スペイン狂詩曲
      プロコフィエフ:ヴァイオリン協奏曲第1番

       ドビュッシー:牧神の午後への前奏曲
      ムソルグスキー:展覧会の絵

 休憩時間も、もし《牧神の午後への前奏曲》のフルートがハッチンスでなかったらどうしよう、とハラハラ&ドキドキ。
 彼が主席の席に座ったときは、本当にホッとしましたよ (^_^) 。

 ハッチンスの音は、特に低い音が深々と充実しており、独特の輝きのある、全く期待通りの素晴らしいものでした。
 デュトワ指揮のオーケストラも非の打ち所のないもので、もう僕の人生でこれ以上の《牧神の午後への前奏曲》を聴くことはないでしょう。

 《展覧会の絵》も素晴らしかった。
 最後の『キエフの大門』の銅鑼はもっと振りかぶって鳴らしてほしかったけれど、舞台が狭いので、前のホルンの頭を叩いちゃいそうでしたね (^_^;。

 会場のサラマンカホールは客席780の中ホール。
 スペインのサラマンカ大聖堂のオルガンと同じオルガンが舞台正面の壁に取り付けられているのが売り物。
 正面にパイプオルガンが取り付けられたシューボックス型のホールはウィーンのムジークフェラインのホールを思い出させます。
 もっとも金ピカではなく、落ち着いた木のホールでしたが。

 しかしコンサートの予定表を見たところでは、オルガンを使ったコンサートの予定はないようでした (-_-) 。
 2階入り口の扉は3年がかりで彫られたという石のレリーフで飾られており、無駄なところにお金を使っているものです (^_^;。

 しかし、たった780人でモントリオール交響楽団を聴くとは、リッチな演奏会でしたね。
 舞台も近く、王侯貴族になったような気もしました (^_^) 。

 諏訪内さんは美人でスタイルもよく、技術的にもちゃんと弾けていたと思います。
 しかし、僕はハッチンスの音にはゾクゾクするんですが、諏訪内さんの音にはゾクゾクしないんですよ。

 アンコールは《アルルの女》の『ファランドール』でしたが、休憩時間にピッコロが一生懸命練習しているものですから、みんなに分かっちゃいましたね (^_^) 。
 
 
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