大須師走歌舞伎 《男伊達比翼稲妻》
1999年12月2日(木)7:00PM 大須演芸場

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 スーパー一座公演、大須師走歌舞伎《男伊達比翼稲妻(おとこだてひよくのいなづま》に行ってきました。
 この日(12/2)は『スーパー一座を応援する会』のためのプレビュー公演です。

      大須師走歌舞伎 《男伊達比翼稲妻》
    1999年12月2日(木)7PM 大須演芸場

     作:鶴屋南北  台本/演出:岩田信市

   不破伴左衛門後に寺西関心:野口 登志(大多摩屋)
          名古屋山三:佐藤 裕二(はりかぜ屋)
         白井権八ほか:間瀬 礼章(亀崎屋)
     蘭蝶実は盗賊弥一ほか:吉野 尚樹(よしの屋)
    奴八内・唐犬権兵衛ほか:水谷 真人(池鮒附屋・ちりゅうや)
        本庄助大夫ほか:渡辺 健(潮風屋)
          和尚・雲助:長船 孝雄(備前屋)
        刺客・中間ほか:鎌田 大資・遠藤 健一
       幡随院長兵衛ほか:原  智彦(おもなが屋・座長)

      長兵衛女房お近ほか:柴田 しのぶ(茜屋)
        下女おくにほか:高木 和子(やまと屋)
  遣手おつめ・若殿桂之助ほか:吉野 貴子(桜屋)
   花魁小紫(弥一の妹)ほか:杉山 佳重(はりたま屋)
   腰元岩橋後に花魁葛城ほか:征矢野敦子(そやのあつこ・こまがた屋)

 因州(鳥取県)の佐々木家の悪家老、本庄助太夫と不破伴左衛門(野口登志)は佐々木家の家宝百蟹(ひゃくがい)の一巻を奪うために名古屋三郎左衛門と白井兵左衛門の二人を殺して一巻を奪い取る。
 また、伴左衛門は行きがけの駄賃にと、名古屋三郎左衛門所持の来国俊(らいくにとし)の名刀を奪い取る。
 名古屋山三(三郎左衛門の息子・佐藤裕二)の敵討ちと、百蟹の一巻を取り返そうとする白井権八(兵左衛門の息子・間瀬礼章)の話がメインストーリー。
 幡随院長兵衛の部分は河竹黙阿弥の《極付幡随院長兵衛》を付け足したサービスだそうです。

 主人公は悪漢不破伴左衛門でしょうか。
 ピカレスク歌舞伎ですね (^_^) 。
 伴左衛門役の野口さんはすごく上手。
 目を寄せて見得を切るところなんか、写楽の浮世絵そのままです。

 小さい舞台なのに場面転換も多く、例年通りの芝居達者で面白く見させていただきましたが、やたら人が死ぬので、最後に名古屋山三が不破伴左衛門を討ち取っても、あまりすっきりはしませんでしたね。
 山三以外の人は、みんな死んでしまったのではないでしょうか?
 もちろん、これはスーパー一座の責任ではありません。

 花魁小紫は蘭蝶に身請けされるんですが、この二人が実は兄妹(本庄助太夫の子供)だったという部分で客席はびっくり仰天大爆笑。
 けっこう深刻な近親相姦(畜生道)の場面なんですが、僕は当然《ワルキューレ》の双子の兄妹を思い出してしまいました。
 しかも小紫の恋人白井権八が父の仇だというんだから‥‥ (@o@) 。

 7時開演・10時終演、と書いておきましょう。
       
 
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