フレンチ ミュージカル 《壁抜け男》‥恋するモンマルトル
1999年12月11日 5:30PM 福岡シティ劇場

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 商業主義的な作品が多い最近の四季には珍しく、名も知らぬフランスミュージカルに取り組むという姿勢に好意を持ち、僕も新らしもの好きだし、この機会にまだ行ったことがない福岡に行ってみよう、ということで一泊旅行をしてみました。

 劇場のあるキャナルシティはクリスマスのイルミネーションに飾られ大変な賑わいです。
 建物の造りが複雑なので何度か迷子になってしまいました (^_^;。
 ステージでは外人男女のマジックを見ましたが、箱に入った女性と箱の上の男性がすぐ目の前であっという間に入れ替わったのには仰天しました (@o@) 。
 地下の『一蘭』で博多ラーメンを食べてからの劇場入りです。
 入りは9割くらいでしょうか。

 フレンチ ミュージカル 《壁抜け男》‥恋するモンマルトル
  1999年12月11日 5:30PM 福岡シティ劇場

 このミュージカルは僕にとって全く期待外れのものでした。
 平凡な役人が突然壁を抜けられるようになった。
 それはいいでしょう。
 オペラ座の地下に怪人が住んでいたとか、モーツアルトが女だったとか、いろんなミュージカルがありますからね。

 問題はそこから先なんですが、彼はその力を使って何をしたのでしょう?
 横暴な上司にいたずらをしたり、宝石泥棒をするくらいでは余りにもありきたりではありませんか。
 その他にも無意味な場面(僕にとっては)の連続で、余計な人物が次々と出てきて、物語が少しも進まないんです。
 このリアリティの無さというか馬鹿馬鹿しさは何かに似ている、と考え付いたのが劇団四季のファミリーミュージカル。
 汗びっしょりで熱演している石丸さんや、なぜだか突然太股も露わに踊り出す井料さんには申し訳ないとは思いながらも、最後はいたたまれませんでしたね。
 石丸さんを始めとするキャストは脇役まで充実したもので、この作品にはもったいないほどのレベルです。

 演出では、《壁抜け男》なんですから、壁の抜け方にはそれなりの工夫がほしかった。
 壁のジッパーを下げて入って行くのではね。
 もっと呆れたのは牢屋から出ていく場面で、隙間の空いた格子の間から出ていくんだものな (^_^;。
 あれなら誰でも脱獄できるでしょう。

 ミシェル・ルグランの音楽なら《シェルブールの雨傘》(by小川範子)の方がずっと好きですね。

 『援助交際40年』は外していると思うけれど、『頭を取れ!』には笑わせてもらいました。
 たまたまタイミングが合っちゃったんですね (^_^;。
 
 この日からプログラムが新しくなったそうです (^_^) 。
 また、好評につきぬけぬけと(チラシによる)1月16日までの延長が決まったそうです。
  
 
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