ロンドン・オペラとミュージカルの旅
3) 《ミス・サイゴン》
 1995年6月3日(土)

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 今日の観劇はもう日本では見ることの出来ない、大好きなミュージカル《ミス・サイゴン》。
 東京公演には何度も新幹線で通ったものだ。

 ホテルはロンドンの西側なので、コヴェントガーデンまではちょうど街を横断する感じ。
 ハイド・パーク、バッキンガム宮殿、トラファルガー広場と市内観光をしているようなものだ。
 ラウンドアバウトはタクシーに乗っていてもすごく恐い。

 劇場までのタクシー代、£8弱。
 £10札を出して、『TAKE 8, PLEASE』という感じですね。
 ドルリー・レーン・シアターの前はすごい人だかり。
 ダフ屋のようなおにいさんもいた。
 突然英語ばかりの世界に一人で放り出されて、とても心細い。

 劇場内はクラシックな内装だが、客席も舞台も狭い。
 前の椅子の背中にオペラグラスが付いていて、20P硬貨で使うことが出来る。

 開演は19時45分。
 お話はベトナム版《蝶々夫人》。
 しかし、主人公のキムが出てきた途端、がっかり。
 この ROANNE MONTE という人、体が大きいの。
 顔はまあ可愛いんだけれど、どうしても本田美奈子さんや入絵加奈子さんみたいな健気さを感じない。

 狂言回しのエンジニア(JUNIX INOCIAN)も体が大きい人で、日本公演に慣れてしまった僕のイメージと違う。
 舞台のスケールも小さいし、たがが緩んだようなところもあって、日本公演の方が良かったような印象を持つ。

 でも、このミュージカルは大好き。
 キムが子供を守るために元許嫁のトゥイを撃ってしまうところ、サイゴン陥落のシーン、バンコクにやってきた恋人クリスに会いにキムが街に駆け出していくところなんか、何回見ても目の前がボーっとしてしまう。

 エンジニアはアメリカへの亡命を夢見ているんだけれど、『行くにゃビザがない』とか『この子こそおれのパスポート』というところで、観客が笑うんだけれど、これがどうしてか理解できなかった。
 その後ニューヨークやロンドンで何回かこのミュージカルを見たが、ここで必ず笑い声が入る。
 どうも「人間がパスポートになる」という発想がおかしいようだ。

 びっくりしたんだけれど、休憩時間に売り子が場内でアイスクリームを売っている。
 野球場みたいだ。

 終了後、道に迷ってコヴェントガーデン周囲をうろつくが、すごい人並み。
 《PONTIS》という店でジャケットポテトを見つけたので、さっそく食べてみる。
 これはツナを頼んだのが失敗で、外は熱くて中は冷たく、ピーマンまで入っていて口に合わなかった。

 ボードに333と書いてあるが、£3.33のことなんでしょうね。
 大きいお金を出しておつりをもらうので、いくら払ったか分からない(^^)。

 タクシーでホテルに帰り、ホテル内のパブでビターを試す。
 これもちょっと美味しくなかった。
 でも安い。 ハーフ・パイントで£1くらいか。

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