ニューヨーク・オペラとミュージカルの旅 96年5月2日
6) 《サンセット大通り》

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 《サンセット大通り》 1996年5月2日(木)8PM ミンスコフ劇場

     Norma Desmond :Betty Buckley
          Joe Gillis: Alan Canpbell
    Max von Mayerling :Steven Stein-Grainger
      Betty Schaefer: Alice Ripley
      Cecil B. DeMille :Alan Oppenheimer
         Artie Green: Vincent Tumeo

 さて、この舞台は、なかなか素晴らしいものでした。
 僕は昨年6月に、ロンドンでこのミュージカルを観たことがあるんですが、それと比較しながら書いてみます。

 ジョー役は、アラン・キャンベルの方が、ロンドンのバローマンよりいいですね。
 これで、大分印象が違います。
 今回の公演は、マックス役が、代役のSteven Stein-Graingerになっていました。
 この人は少し弱かったですね。
 ベティー役は似たようなものかな?

 何よりもNYが素晴らしいのは、劇場と舞台。
 ロンドンのアデルフィー劇場は古くて、舞台も小さい。
 ミンスコフ劇場のスケールの大きさには、較べるべくもありません。
 客の入りは、ウィークデイのためか、8割くらい。

 肝心のノーマ役のベティー・バックリーは、CDで聴いたときは、少し声にドスが利きすぎているんじゃないか? と思ったんですが、舞台で聴いてみると、それがかえってノーマらしい。
 第2幕のハリウッドのスタジオで歌う《AS IF WE NEVER SAID GOOBYE》での、あふれる涙を拭いながらの絶唱に、感動しない者がありましょうか。

 僕はロンドンの舞台で観たエレイン・ペイジが最高のノーマ・デズモンドだと思っていたんですが、ベティー・バックリーもまた、最高のノーマ・デズモンドだと言っておきましょう。
 最後は当然ながらのスタンディング・オベーション。

 驚いたのは、ラストシーン。
 ノーマ屋敷の舞台は上に上がっていて、そこから階段が10段くらい下の舞台までつながっています。
 ジョーは屋敷でノーマに撃たれて、その階段を下りてきて、舞台の下手側前方までよろめいたところで、3発目の銃声が聞こえ、オーケストラピットの中に落ちてしま
うんですね。
 昨年のロンドンは、こうではなかった。 あ〜驚いた。

 考えてみれば、このミュージカル、つまらない場面も多いんだけれど(特に第1幕)いいところは素晴らしく盛り上がる。
 まるで、ワーグナーのオペラみたいです(^_^)。

 BW通りにある『コロニー』という店では、パティ・ルポン、グレン・クロース、ペトゥラ・クラーク、ダイアン・キャロル、ヘレン・シュナイダーの《サンセット大通り》と、ベティ・バックリーの《ロンドンコンサート》、エレイン・ペイジの《アンコール》と、このミュージカル関係のCDが並んでいました。
 僕は、もちろん全部そろえましたよ(^_^)。

 
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