《エリザベート》とスイスの旅 1996年8月15日の4
ドン・ジョヴァンニ(シェーンブルン)

旅行記の最初へ  ホームページへ  次のページへ
 


 『エリーザベト・ツアー』も終わって、ウィーン最後の夜はシェーンブルン宮殿の野外オペラ《ドン・ジョバンニ》。
 地下鉄を降りて、人の流れについて歩く。

 前に書いたように、2日前にカンマー・オパーの事務所でチケットを買った。
 後ろから2列目の席を買ったので、そのあたりで係員にチケットを見せる。
 ところが違うんだそうだ。
 僕の席は前から2列目(@_@)!
 あまりのことにびっくりして、何度も確認したんだが、間違いないんだそうだ。
 僕があまり驚いているので、ケタケタ笑われてしまった(^_^;。


 どうも庭園には横から入ったようで、もう、あたりも暗いし、宮殿とオペラ劇場との関係が良く分からない。
 舞台の背景には人工廃墟が見えるので、グロリエッテに近い場所かと思われる。
 カーテンの代わりに、門扉を開けたり閉めたりして舞台転換をしている。

 歌手はマイクを付けている。
 オケピットをのぞいてみると、オケピットの中にもマイクがいくつも立っている。
 オケのメンバーは若い。
 20時開演。
 休憩なしで、2時間半通しで上演された。

           DIRIGENT:EDGAR SEIPENBUSCH
       INSZENIERUNG:ROBERT HERZL

        DON GIOVANNI:BRUCE BROWN
        DONNNA ANNA:JULIA ISAEV
        DON OTTAVIO:ROBERT CHAFIN
        DONNA ELVIRA:ELISABETE MATOS
          LEPORELLO:MAURIZIO MURARO
           MASETTO:DIMITRIJ SOLOVJOV
           ZERLINA:OLGA SCHALAEWA


 この演出は、最初に騎士長が殺されて、2階から1階の屋根に墜落するなど、なかなかスペクタクルな物。
 ドン・ジョバンニの館には松明(たいまつ)がともされ、ツェルリーナは太股まであらわに水遊びをする、など楽しませてくれるじゃありませんか(^_^)。
 マゼットはその水の中に突き落とされる。
 上演中でも、カメラのフラッシュがピカピカ光る。

 最初から空模様は怪しかったんだが、途中で雨が降り始めた。
 音楽が止まり『上演中止か?』なんて思って見ていたら、オケピットの上にだけ、ビニールハウスのような覆いをかけてしまった。
 指揮者の上半身は、覆いの上に出ている。
 そのまま上演は続けられたが、雨と風と寒さで、凄いことになってきた(後で気が付いたんだが、売店ではレインコートが売られていた)。
 傘を拡げる人もいる。

 短縮版にして早く地獄堕ちの場面にして欲しいんだが、なかなかそうはいかない。
 僕はもともとこのオペラには無駄な部分が多いと思っているんだが、この時ほどそれを痛切に感じたことはない(^_^;。
 舞台の上の歌手も一生懸命やっているんだから、と連帯意識が湧いてしまう。

 待ちに待った騎士長の石像は、舞台前方の地下の階段から現れる。
 『何だ、人間か』とがっかりする。
 ドン・ジョバンニは石像に追われ、2階に上がる。
 やがて館は火に包まれ、その中で背中に火のついたドン・ジョバンニ(もちろんスタントマンであろう)が、舞台後方に墜落すると、大きな火花が上がって(@_@)みんなびっくり。

 カーテンコールではレポレロ役の人がリードを取っていた。
 帰りの地下鉄の中には、オケのメンバーがたくさん乗っていた。
 さすが、素早い(^_^)。
 


旅行記の最初へ  ホームページへ  次のページへ