ルートヴィヒ紀行(9)2001年5月1日(火)
ミュージカル 《 Ludwig II 》

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 フュッセンの街の入り口に『ミュージカルの街フュッセン』という掲示があり、現地ではかなりこの公演に力が入っているようです。
 そりゃそうでしょう。あれだけ立派な劇場を建てればね (^_^) 。
 それにしてはフュッセン駅前のバス停の表示が不親切。
 バス停には、劇場を通るバスは1番から出るように書かれているのですが、実際には5番から出ました。
 タクシーなら5分もかからないでしょう。


 まず書かなければならないのが、劇場からの絶景。
 フォルッゲン湖の対岸に、ゾイリング(右・2045M)、テーゲルベルク(左・1720M)という二つのアルプスの山が聳え、その真ん中にノイシュバンシュタイン城が建っている。
 暮れなずむ幕間には、ノイシュバンシュタイン城が白く、ホーエンシュヴァンガウ城(ゾイリングの下)が黄色く浮かび上がり、テーゲルベルク山頂のリフト小屋にも灯がともり、その美しさは例えようもありません。
 僕は今まで劇場からの眺望ということでは、びわこホールが世界一だと思っていたんですが、この劇場にはかないませんね。
 アルプスとノイシュヴァンシュタイン城なんですから (^_^) 。

 《 Ludwig II 》 2001年5月1日(火)7:30PM
 ノイシュヴァンシュタイン・ミュージカル劇場(フュッセン)

 作 曲 :Franz Hummel  脚本、演出:Stephan Barbarino
 舞台装置:Heinz Hauser

 ルートヴィヒ
  :Jon Goldsworthy
 シシィ(エリザベート)
  :Barbara Buhofer

 この二人はキャスト表の最初に書かれていますが、CDとは違う人です。
 前にも書きましたが、チケットは前日にミュンヘンのカールス広場地下にあった Zentral Kartenverkaufという店で購入しました。
 当日の入りは7割くらいでしょうか。

 肝心のミュージカルは、ルートヴィヒの即位からその死までを扱ったもの。
 エリザベート皇后やワグナー、ビスマルクも出てきます。
 しかし、いかにも表面をなぞっただけの人物描写で、バラエティ風の場面(ヨーデでルや『赤とんぼ』(@o@) )も多く、僕にはあまり真面目な制作意図を持った作品には見えませんでした。
 パロディなんでしょうか。

 まあ問題点を挙げればきりがないので (^_^;、気が付いたことなどを。
 ルートヴィヒとシシーの場面に魅力的な音楽が多かった。
 霧の中を馬に引かれたそりに乗ってルートヴィヒが行く場面は幻想的で、彼の孤独が思いやられました。
 本物の馬のひずめの音はうるさかったけれど (^_^;。

 ワーグナーとルートヴィヒが出会うマリエン橋の場面では、ドライアイスでペッラート峡谷の滝(昼間にノイシュヴァンシュタイン城から見た)が上手くできていて、面白かった。
 ワーグナーのオペラをルートヴィヒが独りで観劇するシーンがあったんですが(舞台裏からルートヴィヒを見る趣向)、3人の乙女が出てくる部分は《ラインの黄金》、竜を退治する場面は《ジークフリード》。
 本来は二つの別のオペラなのね。 音楽はワーグナー風ですが、オリジナル。

 なぜだか『赤とんぼ』が歌われる場面もあるんですが、『いつのイか』と歌っていたので、あの人はイタリア人だね、きっと。
 舞台上部に字幕が出て、左から、イタリア語、英語、日本語、フランス語ですが、照度不足でとても読めませんでした。

 最後の場面でルートヴィヒは歌いながら湖に進み、頭の中まで完全に沈んでしまいます (@o@) 。
 そのまま舞台は進んでいきますが、彼は何処に行ってしまったのでしょう?
 溺れ死んだりする可能性はないのでしょうか?

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