前へ ホームページ ウィーンの目次 次へ 后妃エリザベート関連史跡 《エリザベート》詳説 1996年 |
◇ アン・デア・ウィーン劇場 アン・デア・ウィーン劇場に入るのは、1996年の《エリザベート》以来です。 前にも書きましたが、この劇場は《魔笛》ゆかりの劇場であり、《こうもり》、《メリー・ウィドウ》など、多くの作品が初演されました。 また、ベートーベンは1803年、04年とこの劇場に住み、交響曲第2・3・5・6番、ピアノ協奏曲第3・4番、バイオリン協奏曲などが初演されました。 ロビーにはベートーベンの部屋が復元されていましたが、96年には無かったと思います。
僕が初めてミュージカル《エリザベート》を見たのは1996年8月13日。 曲の美しさはCDで聴いていましたが、ハリー・クプファーの演出がまたまた素晴らしかった。 あんまり感心したので、長大なレポートを書いたりしました。 さて、このミュージカルですが、楽しみにしていた日本公演は演出の小池修一郎の改竄により、見るに耐えない代物になってしまいました。 やむを得ず、エッセンまでドイツ公演を見に行ったのですが、これも東宝程度のレベルで、「もう、クプファー演出でウィーンで再演されるまでは見ない」と心に決めておりましたところ、今年になって再演が始まったわけです。 ミュージカル《エリザベート》 2003年12月31日(水)19:30 ELISABETH:MAYA HAKVOORT LUIGI LUCHENI:SERKAN KAYA DER TOD:MATE KAMARAS KAISER FRANZ JOSEPH:ANDRE BAUER エリザベート役の MAYA HAKVOORT は前回と同じなんですが、彼女が素晴らしかった。 さすがに、最初の少女時代には違和感がありましたが、その後はワンマンショウのようで、その存在感に圧倒されました。 2回目の観劇で、初見の時の驚きはなくなりましたが、それでもこの《エリザベート》が演出家 ハリー・クプファーの最高傑作であることは間違いないでしょう。 一幕のフィナーレ、大きな4つの鏡がくるくる回りだし、その中央の鏡にエリザベートが有名なヴィンターハルターの絵のポーズで現れる場面や、ルドルフの「僕があなたの鏡だったら」など、鏡の使い方が冴えに冴えています。 クプファー演出のオペラは来日公演などで何回か見ましたが、評論家がいくら褒めても、僕には面白くありませんでした。 このミュージカルが彼の絶頂期だったのだろう、と感じています。
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