ウィーン紀行(22) 04.1.1(木)
ジークムント・フロイド記念館 (ベルクガッセ)

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◇  ジークムント・フロイド記念館 (ベルクガッセ)

 コリンガッセの北の通りベルクガッセに「ジークムント・フロイド記念館」があります。
 精神分析の創始者であるジークムント・フロイドが、1891年からナチスに追われロンドンに亡命する1938年まで住み、診療に当たった建物です。
 ビルロートが死亡したのは1894年であり、ブルックナーはヘスガッセの家に1895年まで住んでいましたから、ある時期、この3人は隣近所に住んでいたことになるようです。

ジークムント・フロイド記念館 ジークムント・フロイド


 フロイドといえば「エディプスコンプレックス」が有名です。
 フロイドは自分自身に対する一連の精神分析の過程で、幼い頃とても好きだった父親に実は憎しみの気持ちを持っていて、母親の裸に情慾を持っていたということを発見します。
 フロイドによれば、五歳くらいの子供は父親に敵意を抱き、母親を独占したいと感じるのだそうです。
 女子の場合は、これもギリシャ神話からとられた「エレクトラコンプレックス」と呼ぶ場合もありますが、フロイトはこの名称は用いていません。

 1910年、グスタフ・マーラー(50歳)は妻アルマ(30代)と建築家グロピウスとの浮気に苦悩し、当時オランダにいたフロイドの診察を受けたそうです。
 フロイドは「アルマが父親の像を求めているのに、マーラーはアルマに対し、愛する母親が受けたような苦しみを無意識のうちに求めている」と診断したそうです。
 

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