前へ ホームページへ ドイツ紀行目次へ 次へ |
僕がこの街に来たのは、ワーグナーのオペラ《ニュルンベルクのマイスタージンガー》の舞台を訪ねるため。 主人公のハンス・ザックスは(1494〜1576)はニュルンベルクに住んだ靴屋であり、マイスタージンガー(職業歌人)、詩人、劇作家として多くの作品を残している。 午後7時を過ぎているが、ドイツは夏時間なのでまだまだ明るい。 中央駅に戻り、ケーニッヒ門から旧市街に入ると、そこは中世の街並みが復元された職人広場になっている。
ケーニッヒ(王様)通りに出て中心部へ進むと聖ローレンツ教会が見えてくる。 いかにも中世らしい通りで、通行する人が大変多い。
道なりに坂を下り、ペグニッツ川にかかるムゼウム橋から右手(川上)を見ると、有名なハイリッヒ・ガイスト・シュピタール。 夕暮れだが空は青く、なかなか良い写真が撮れた。
そして、街の中心である中央広場。 時間も遅いので屋台は閉まっているが、昼間の賑わいが想像される。 広場に面したフラウエン教会の仕掛け時計は、12時に動くそうだ。
いよいよここからが本当の「マイスタージンガー紀行」だ。 フラウエン教会の右横の道を行くと、ハンス・ザックス・ガッセに突き当たる。 何の変哲もない道だが、オペラ第二幕の舞台となったザックスの家はこの通りにあったのだ。
ハンス・ザックス・ガッセを行くと、裏通りにハンス・ザックス広場があり、右手をちょっと挙げたハンス・ザックスの座像が建っている。 しかし、この広場はアパートの裏庭のような物寂しい広場で、「これではハンス・ザックスが日陰者だ」といささか幻滅した。
|