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さて、今回の旅行も最後の予定となり、バイエルン国立歌劇場のオペラ 《王子と王女》 だ。 早めに劇場に着いて内部を探検していたら、ロイヤルボックスの扉が開いていたので、覗かせていただいた。 かつてこの席からルートヴィヒ2世やワーグナーがオペラを観劇したのかと、しみじみと舞台を眺める。
本日の演目は《ヘンゼルとグレーテル》だけが有名なドイツの作曲家、エンゲルベルト・フンパーディンクのオペラ 《Koenigskinder》。 「Koenigskinder」は直訳すれば「王の子供達」だが、どうして日本では「王子と王女」という題名になっっているのか、理解できない部分もある。 いずれにせよめったに上演されることのない演目で楽しみにしていたが、演出がアンドレアス・ホモキというところが心配。
エンゲルベルト・フンパーディンク 《王子と王女》 2006年5月6日(土)19:00 Uhr 終演 22:30 Uhr 休憩一回(1幕後に30分) Musikalische Leitung : Fabio Luisi Inszenierung : Andreas Homoki Der Koenigssohn : Robert Gambil(王の息子) Die Gaensemagd : Annette Dasch(ガチョウ娘) Der Spielmann : Martin Gantner(吟遊詩人) Die Hexe : Dagmar Peckova(魔女) Der Holzhacker : Daniel Lewis Williams(木こり) Der Besenbinder : Ulrich Ress(ほうき職人) まずはストーリーを簡単にまとめてみよう。 訳に自信はないけれど、プログラムには英語のあらすじも載っているので。 =第一幕= Hellabrunn の街を抜け出した王子は、森の中で魔女に使われ、ガチョウの世話をしている娘に出会う。 彼は彼女を愛し、結婚を約束する。 =第二幕= 彼女は王冠をかぶり街に入るが、街の人々は彼女を王妃として認めず、カップルは街から追い出されてしまう。 =第三幕= 雪の中で彼らは凍え死に、吟遊詩人が「彼らは Koenigskinder だった」と二人を悼んで歌う。 どう、面白そう (^_^; ? フンパーディンクの音楽は《ヘンゼルとグレーテル》風の部分もあったし、師であるワーグナー風の部分もあった。 しかし、全体的として記憶に残る魅力に欠けるのが残念だ。 日本でも聴く機会の多いファビオ・ルイジの指揮とキャストについては、曲自体がよく分からないため、何とも評価しかねる。 心配していたホモキの演出は、全く心配していた通りのもの。 落書きのような背景と、魔女の家は洋服箪笥。 制作費の削減だろうか? 僕の知識不足もあるのだろうが誰が誰だか分からない部分も多く、現在のヨーロッパの演出家の作品を無視したような、勝手気ままな演出には、いつもながら憤慨してしまう。 休憩時間には、フルーツゼリーにクリームを掛けたデザートに挑戦したが、これは美味しかった。 ロビーには売店が少なく、世界的に有名なバイエルン国立歌劇場にしては、華やかさに欠けるような気がした。
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