《ラ・ボエーム》の基礎知識 (その5)

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《ラ・ボエーム》の基礎知識(その5 )

 第四幕は、再びロドルフォたちの屋根裏部屋。
 第三幕から数ヶ月後です。
 ロドルフォとマルチェルロは仕事をしようと思うのですが、つい話題は街で見かけたミミとムゼッタのことに。
 彼女たちは贅沢な愛人生活をしているようです。
 やがて、ショナールとコルリーネも戻ってきて、しばし馬鹿騒ぎが続きます。

 突然ドアが開き、ムゼッタが飛び込んできます。
 『ミミがいるの! 具合が悪くて倒れて!』
 ロドルフォとマルチェルロが飛び出し、ミミを連れて部屋に戻り、ベッドに寝かせます。
 ミミは子爵の息子のところを逃げだし、ロドルフォの部屋で死にたい、と戻ってきたのです。
 ミミはロドルフォを抱きしめ、懐かしい部屋を見渡し、ボヘミアンの仲間に声をかけます。

 ムゼッタは耳飾りをマルチェルロに渡し医者と薬を頼み、自分はマフを取りに一緒に出かけます。
 コルリーネは自分の外套を売って金に換えようと《古い外套よさらば》という、有名なアリアを歌い、ショナールを促し部屋から出ます。

 二人になると『みんな行ってしまったの?』とミミが歌い始めます。
 話したいことが山ほどある二人です。
 ロドルフォは思い出のボンネットを取り出します。
 二人の話はやがて出会いの場面に。
 『貴方は鍵を早く見つけたんでしょう?』
 『僕は運命を手伝っただけさ』
 突然、ミミは咳き込んでぐったりします。

 ロドルフォの叫び声にショナールが入ってきます。
 やがて、ムゼッタとマルチェルロも戻ってきます。
 ミミは彼ら一人一人に感謝に満ちた別れの言葉を告げます。

 しばらくして、ショナールがミミの異常に気付きます。
 『マルチェルロ、息が!』

 そこへコルリーネが帰ってきます。
 『どんな具合だ?』
 『落ち着いているよ』と答えるロドルフォですが、みんなの様子がおかしいのに気付きます。
 『どうしたんだ! なぜそんな目で俺を見るんだ!』

 こらえきれなくなったマルチェルロが『しっかりするんだ!』と声をかけると、ロドルフォはベッドに駆け寄り、ミミを抱き起こしながら『ミミ〜!』と絶望の叫びを上げます。
 そして《ラ・ボエーム》全幕の幕が降ります。
 当然ながら、ミミは復活しません (^_^;。

 これで『《RENT》を観劇する人のための《ラ・ボエーム》の基礎知識』はおしまいです。
 大体のストーリーは理解していただけたでしょうか ?
 《RENT》よりは単純でしょう (^_^;?

 プッチーニの三大オペラといえば《ラ・ボエーム》《トスカ》《蝶々夫人》の3つの作品です。
 《蝶々夫人》をミュージカル化した《ミス・サイゴン》に続き、《ラ・ボエーム》の《RENT》ということで、今度ミュージカル化されるのは当然《トスカ》であろうと思っていたんですが、ヴェルディ作曲のオペラ《アイーダ》がディズニーでミュージカル化されるとは意外なことでした。
 

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