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《ラ・ボエーム》の基礎知識 (その4) 第三幕の舞台はパリの入り口、アンフェール門。 二月終わりの夜明け前です マルチェルロとムゼッタは門のそばの酒場に住み、マルチェルロは看板を描き、ムゼッタは客に歌を教えています。 そこにロドルフォと一緒に暮らしているミミがやって来て、マルチェルロを呼び出します。 ミミはマルチェルロからロドルフォが来ていることを聞き、マルチェルロに助けを求めます。 ロドルフォは最近いらいらして怒りっぽくなり、昨夜『もうおしまいだ!』と言って、部屋を出ていってしまったのです。 そこにロドルフォが起きてきて、ミミは木の陰に姿を隠します。 マルチェルロはロドルフォに事情を問いただします。 最初は『ミミは浮気女、子爵の息子にスカートをヒラヒラさせるんだ』などと言っていたロドルフォですが、なおも問いただすマルチェルロに『違う、そうじゃないんだ!』と突然調子が変わります。 『ミミは病気が重く、先が長くない。 彼女に一番良くないのは僕の部屋の寒さなんだ!』 それを聞いたミミは自分の命が長くないことを知り、むせび泣き、咳き込んでしまいます。 その声で初めてミミがいることに気が付いたロドルフォは彼女に駆け寄ります。 この辺りが、僕が《ラ・ボエーム》で一番好きな部分で、こうして書いていても、ほら涙が (^_^;。 ここで酒場の中からムゼッタのはしゃぐ声が聞こえ、怒ったマルチェルロは酒場に飛び込みます。 二人になったところで、ミミは『さようなら』と別れを告げます。 『なんだって!』と驚くロドルフォ。 ここから《ミミの別れ》と呼ばれる有名なアリアになります。 『私はあの寂しい元の部屋に戻ります、花を作りに。 バラ色のボンネットは愛の記念に持っていてね』 その時酒場から『浮気女!』『看板絵描き!』と罵りあうマルチェルロとムゼッタが飛び出してきます。 『花の季節に別れましょう。いつまでも冬が続けばいいのに』と歌うミミとロドルフォ。 そして第三幕が終わります。 《RENT》では『GOODBYE LOVE』に当たる部分ですね。 ロジャーとマークの会話を聞いてしまったミミが、自分の命が長くないことを知り、ベニーの元へ去っていくという。 《ラ・ボエーム》のミミは子爵の息子の愛人になります。 ベニーって《ラ・ボエーム》の何人分ものキャラクターを受け持っているんですね。 家主のブノア、オウムの飼い主の英国人、ムゼッタのパトロンのアルチンドロ、そしてミミの愛人となる子爵の息子 (@o@)。 |