ペーター・グートは最高 2000年1月1日 ヨハン=シュトラウス・オーケストラ (コンツェルトハウス) |
ウィーン元日のコンサートと言えば、誰でもまずウィーン・フィルの『ニューイヤーコンサート』が頭に浮かぶだろう。 僕は偉そうな顔をしたムーティは好きではないし、『ニューイヤーコンサート』はカラヤンの時に見ているし、高いチケットを買う気はなかったが、会場(ムジークフェライン)が近いのでちょっと寄ってみた。 開演30分前だったが、特に『SUCHE KARTE』のプラカードを持っている人もいないようだった。 ロビーの服装はさすがにゴージャスであった。 雰囲気を確認してからコンツェルトハウスに移動する。 ペーター・グート指揮 『ヨハン=シュトラウス・オーケストラ』 2000年1月1日(土)11:00AM ウィーン・コンツェルトハウス さて、新しい年を迎え、最初のコンサートは、11時の『ヨハン=シュトラウス・オーケストラ』。 指揮者のペーター・グートは『ウィーン・フォルクスオパー管弦楽団』の指揮者として来日したことがあり、僕はそれ以来の大ファン。 彼のバイオリンを弾きながらの指揮を再び見ることが出来るのは、今回の旅行の楽しみの一つだった。 彼はウィーン出身ながら、モスクワでダヴィッド・オイストラフに学び、オーストリア放送交響楽団のコンサートマスターも勤めたという音楽歴。 曲によって指揮棒を持ったり、バイオリンを弾きながら、オーケストラをリードしていく。 グートの音楽は極端なテンポの変化が実に音楽的。 僕は世評に高いカルロス・クライバーの《こうもり序曲》も聴いたことがあるが、グートの《こうもり序曲》もそれに劣るものではないと断言しよう。 昨日聴いた『ウィーン・リング・アンサンブル』のキュッヒル氏(ウィーンフィルのコンサートマスター)とは、(少なくともワルツに関しては)音楽家としてのスケールが桁違いだと思う。 しかしグートの本領が発揮されるのは、バイオリンを弾きながらの早いポルカであろう。 右手に持った弓を頭の上で(いしいひさいち氏描くところのナベツネ社長みたいに)びゅんびゅん振り回すと、僕の喜びも最高潮だ (^_^) 。 グートはまたエンタテイナーでもあり、このコンサートのクライマックスはアンコールのポルカ(名前不明 (^_^;)。 4拍目にバイオリンのアップボウ(上げ弓)で次のメロディーを引き出す部分があったんだが、この上げ弓に合わせて第一バイオリン全員(10人)が突然立ち上がった (@o@) 。 そして、次の1拍目で座るという趣向 (^_^) 。 その内に、メロディーとは関係ないチェロまで立ち上がるようになり、会場は大笑い。 その内に管楽器まで、つまりオーケストラ全員が4拍目で立ち上がるようになってしまった (^_^) 。 次の瞬間、グートは会場に振り向いた (@o@) 。 そして、観客にも立ち上がれというんだね (@o@) (@o@) 。 立った立った。 二階の最後列まで、全員立ち上がりましたよ (^o^)/ 。 あの大きな会場の全員を立ち上がらせるパワーは並のものではありません。 グートがオーケストラの方を向いたので『これで終わりか』と安心したら、突然会場に振り向いて立ち上がらされたり (^_^;、『あと1回だけ!』と御願いされたり、涙が出るほど笑いました (^_^) 。 演奏後は全員立ち上がってのスタンディング・オベイジョン。 床を踏みならし、口笛が飛び交い、会場は熱狂状態です (^_^) 。 このコンサートはきっと来年もあるでしょうから、来年ウィーンに行かれる方には是非是非お勧めしたいですね。 |