愛知県文化振興事業団「オペラ・フォーエヴァー・シリーズ」
2004年11月20日(土)1時30分 愛知芸術劇場コンサートホール

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◇愛知県文化振興事業団 「オペラ・フォーエヴァー・シリーズ」(04/11/20)
 11月20日(土)1時30分 愛知芸術劇場コンサートホール

 愛知県文化振興事業団の「オペラ・フォーエヴァー」シリーズ、第3回は「オペラの新星発見」ということで、田村麻子(ソプラノ)、手嶋眞佐子(メゾソプラノ)、笛田博昭(テノール)、呉承容(おう・すんにょん・バリトン)の4人によるコンサート。
 ピアノ伴奏と司会は江澤隆行さんでした。

 圧倒的に完成度が高かったのが田村麻子さん。
 ルチア『あたりは沈黙に閉ざされ』、ジルダ『毎日曜日教会で』、そして《ミニョン》の「私がティターニア」。
 いずれも、演技、表情がオペラになっていて、コロラトゥーラのテクニックも文句なし。
 すでにハンガリー国立歌劇場でルチアを歌われているそうです。
 この人は面白い人で、江澤さんのインタビューが終わったところで、突然「江澤さんは以前は大人しい性格だったのに、フランスに行ったらこんなに上手に司会が出来るようになって驚きました」などと発言して、江澤さんの動揺と会場の笑いを取っていました。

 次は笛田博昭さん。
 笛田さんは名古屋芸術大学の《トゥーランドット》で仰天した、力強い美声の持ち主。
 音楽雑誌に寄稿しておられる「フランコ酒井」氏によれば「デルモナコの声」だそうです。
 他の3人の声が1階止まりだとすれば、笛田さんの声は会場全体を満たします。
 インタビューでは、
江澤「いやー、大きいですね」
笛田「子供の頃から大きいです」(会場笑い)
江澤「僕が1m75cmですから(会場から驚きの声)、2mはありますか?」
笛田「2m3cmです」(会場ますます驚き)
 というやりとりがありました。

 笛田さんは名古屋芸術大学の実技補助員で、名古屋芸術大学の中島基晴教授は人気テノール中島康晴さんのお父さん。
 「今後の希望はイタリア留学」だそうで、「デルモナコの声」と体格に恵まれた笛田さんには「中島康晴さんの道」を期待しておきましょう。
 名古屋芸術大学は中島教授の薫陶よろしきを得て、次々と優秀な人材を輩出しています。

 メゾソプラノの手嶋眞佐子さんも豊かな声に恵まれた方ですが、立ったままの歌唱は残念でした。
 田村さんとは東京芸大の同学年だそうですが、田村さんはオペラ科、手嶋さんはソロ科で、学生時代の付き合いはなかったそうです。
 演技力の違いはオペラ科とソロ科の違いでしょうか?

 バリトンの呉承容さんは韓国出身で、日本には2年在住し、奥さんは日本人。
 すでに活動の場をヨーロッパに移し、最近プラハからハンブルグに引っ越されたそうです。
 
 
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