東京二期会 《さまよえるオランダ人》
2005年11月2日(水)7:00PM

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   東京二期会 《さまよえるオランダ人》
 2005年11月2日(水)7:00PM 東京文化会館

  指揮:エド・デ・ワールト  演出:渡辺和子

    船長ダーラント:長谷川 顯
     その娘ゼンタ:エヴァ・ヨハンソン
         エリック:青柳素晴
      乳母マリー:西川裕子
         舵取り:経種廉彦
       オランダ人:多田羅迪夫

 僕の《さまよえるオランダ人》体験で、最高の舞台は2000年5月6日のヘッセン州立劇場(ヴィースバーデン)
 その時にゼンタを歌っていたのがエヴァ・ヨハンソン。

 ラシライネンのオランダ人に驚嘆して、あまりゼンタは覚えていないんですが、彼女をまた日本で聴けるとは嬉しいことです。

 ヘッセン州立劇場の指揮はウルフ・シルマーで、最初の音を聞いたときから「これはとんでもない音楽体験ができる」と興奮したものです。

 今回のエド・デ・ワールトは中庸というのでしょうか、序曲の間に僕のテンションは下がってしまいました。
 12月の名古屋公演、沼尻竜典さんに期待しましょう。

 演出の渡辺さんはドイツで活躍している演出家だそうで、最近は「ドイツで活躍している」と聞くと「おかしな演出なんだろうな」と予想できてしまうんですが、果たして、おかしな演出でありました (^_^;。
 でも、演出のコンセプトをいう前に、この人は演出家として基礎となるテクニックが足りないのではないか? と感じられる部分が多かった。
 人の動かし方を言っているんですけどね。

 コンセプトもね‥‥最後にゼンタはオランダ人の胸像を倒して舞台裏に駆け込む。
 さて、これからどうする? 飛び降りるか天に昇るか? と待っていたのに、そのまま何事もなくオペラは終わってしまいました。
 肩透かしというか‥‥この人にはアイディアがないんでしょうか?

 キャストではエヴァ・ヨハンソンと青柳素晴さんが良かった。
 この二人が歌っているときには、「オペラを見ているんだ」と実感できました。
 
 オランダ人の多田羅さんは、痰が絡んだような声で、体調不良でしょうか?
 名古屋公演までに声を整えていただきたいものです。

 カーテンコールでは多田羅さんと渡辺さんにブーイングがありました。
 ブーイングをしたい気持ちも分かりますが、体調不良なら気の毒なことです。
 1回目のカーテンコールにブーイングを浴びて、2回目を出て行くのは嫌だろうな、と同情しました。 
 
 
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