名古屋二期会第37期研究生・研修生修了オペラ公演
モーツァルト《フィガロの結婚》原語上演(字幕付き)
2007年4月1日 5:00PM 名古屋市東文化小劇場

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 地下鉄「ナゴヤドーム前矢田駅」からナゴヤドームまでの長い地下道は「DORAGONS ROAD 2007」と名付けられ、選手の写真が並んでいます。
 僕はあまり名前を知らないんですが (^_^ゞ、地元の人間として開幕2連勝はやはり嬉しいものがあります。

 ナゴヤドームに向かう人々と一緒に歩いていくと、ナゴヤドームの手前に名古屋市東文化小劇場があります。
 
DORAGONS ROAD 2007 ナゴヤドーム
名古屋市東文化小劇場 休憩時間


 名古屋二期会第37期研究生・研修生修了オペラ公演
 モーツァルト《フィガロの結婚》原語上演(字幕付き)
 名古屋市東文化小劇場

 2007年4月1日(日)
 昼の部 12:30開演(12:00開場)
 夜の部 17:00開演(16:30開場)

 指揮  工藤 俊幸
 演技指導  中村 敬一
 ピアノ・チェンバロ  森本 綾子・守屋 亜樹
 衣装  下斗米 雪子

 アルマヴィーヴァ伯爵  関口 大介【賛助出演】/遠山 貴之【賛助出演】
 伯爵夫人(U幕)  海保 りつこ/奥野 真由子
 伯爵夫人(V,W幕)  中村 まさこ/金澤 澄華
 スザンナ(T,U幕)  岩谷 美由樹/今橋 満里子
 スザンナ(V,W幕)  伊藤 恵/鬼頭 愛
 フィガロ  飯田 源太【賛助出演】/松下 伸也【賛助出演】
 ケルビーノ  近江 志穗【賛助出演】
 マルチェリーナ  奥野 靖子【賛助出演】
 バルバリーナ  鈴木 香里
 バルトロ  水谷 和樹【賛助出演】
 バジリオ  鎌田 哲
 ドン・クルツィオ  鬼頭 正明
 アントニオ  佐藤 真彦

 昼は桜の写真撮影で、夜の部を観劇しました。
 昨年の《コジ・ファン・トゥッテ》がガラガラだったので油断していたら、会場(定員351)にはたくさんのお客さんが入っておりました。
 最終的には9割を超えたのではないでしょうか。

 僕のいつもの席(最後列の端)は名古屋二期会の大御所たちによって占拠されていました。
 しかたがないので後ろから2列目に座りまして、前の席が中村敬一さん。
 昨年は最後列で並んで(たまたま)見たのでした (^_^) 。

 オケピットに当たる部分には、右から譜めくり、ピアニスト、指揮者、プロンプター、チェンバロ奏者が並び、時々プロンプターが活躍していました。

 やはり注目は中村敬一さんの演出。
 例えば『もう飛ぶまいぞこの蝶々』。
 フィガロが歌っている間、舞台にいるキャストは歌詞に合わせたリアクションをします。

 そして最後で、ケルビーノは一度は出陣を覚悟しますが、やはり「やってられない」と軍帽を投げ捨て走り去ります。
 中村さんはこの一瞬の細かい(あえて必要でもない)動きを演出プランとして持っていて、それを役者に演じさせることが出来るんです。

 研修生修了オペラ公演ということで、演技がぎこちない人もいるし、歌のレベルも一定していません。
 それでも役者はオペラの中の人物として歌い演技し、決してすきま風が吹いていない。
 この辺の役になりきらせる演出の秘密が、いつも知りたいところです。

 僕はかつてアマオケをしていて、良い指揮者にも良くない指揮者にも出会いました。
 そして、どうすると良い演奏が出来、どうすると演奏が破綻するかを身をもって体験してきました。
 演出でもそれを知りたいものです。

 この日の白眉は、第三幕の伯爵夫人のアリア。
 モーツアルトは何という美しい音楽を書いたのでしょう。
 あまりの美しさに時間が止まり、涙が出てきました。
 もちろん歌手、指揮者、ピアニスト、演出、全てが相俟っての成果なのでしょう。

 この公演をお薦めしたオペラファンから、次のメッセージをいただきました。
 来年は前売り券を買っておいた方がいいでしょうか?

 一生懸命歌い演じる姿勢がこちらにもひしひしと伝わり、思わず胸が熱くなりました。
 これから研修生オペラも顔を出すべきだと思いました。
 四幕のマルチェリーナのアリア、’01年9月ミュンヘン・オペラ で藤村実穂子さんが歌って以来久し振りに聴くことが出来ました。
 なかなか素敵な歌ですね!
 
 
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