藤原歌劇団公演《どろぼうかささぎ》日本初演 2008年3月9日(日)3:00PM 東京文化会館 |
僕は2006年10月21日の《ランスへの旅》を見て、指揮者のアルベルト・ゼッダの大ファンになりました。 そのゼッダが指揮するロッシーニの《どろぼうかささぎ》日本初演を見に行ってきました。 余裕を持って早めに着いたので、国立西洋美術館で『ウルビーノのヴィーナス展』を見てきました。 ティツィアーノが描いたヴィーナスは、ちょっと流し目の美人でした (^_^) 。
藤原歌劇団公演《どろぼうかささぎ》日本初演 2008年3月9日(日)3:00PM 東京文化会館 指揮:アルベルト・ゼッダ 演出:ダヴィデ・リヴァーモア ニネッタ:チンツィア・フォルテ ジャンネット:アントニーノ・シラグーザ 代官ゴッタルド:妻屋秀和 フェルナンド:三浦克次 ルチーア:森山京子 ファブリーツィオ:若林 勉 ピッポ:松浦 麗 イザッコ:小山陽二郎 序曲だけが有名な《どろぼうかささぎ》ですが、今回の公演は「今年のベストワン」になるかと思うほど、内容豊かな公演でした。 全二幕、各90分くらいかかる大作です。 その題名とは裏腹に、このオペラはシリアスなオペラでした。 かささぎに銀のスプーンを盗まれたニネッタは捕らえられ、死刑の宣告を受けてしまいます。 脱走兵の父親を救うため、彼女は言い訳をすることさえ出来ません。 この辺のストーリーが大変良くできていているんです。 ニネッタ役のフォルテ(美人)が素晴らしかった。 全幕を通して、ほぼ出突っ張り。 最初は声量に少し不満を感じたのですが、ニネッタになりきったその演技には、同情を禁じ得ませんでした。 ジャンネット役のシラグーザは重要な出番が少なく、残念でお気の毒でした。 代官ゴッタルドの妻屋さんは、《トスカ》のスカルピアのような役柄ですが、声量もあり舞台姿も見栄えがして良かったですね。 あとは、ピッポ役の松浦 麗さん。 ニネッタとの心情あふれる二重唱には泣けました。 ゼッダの指揮は期待通りのものでしたが、ロッシーニの音楽が予想以上に素晴らしい。 上演の機会が少ないのが不思議な作品です。 リヴァーモアの演出はストップモーションを多用した、才気にあふれたもので、この演出家は気に入りました。 かささぎは自由自在に空を飛びました。 テーブルから銀のスプーンも盗みますし、ピッポからお金も盗ってしまいます。 カーテンコールの最後にかささぎが客席の上を飛びまして (@o@)、リモコン装置を持ったかささぎ遣いが現れました。 プログラムには、ディミートゥリ・ロッシ(FLY NOW)と書かれていました。 |