METライブビューイング 《ラ・ボエーム》
2008年4月20日(日)5:30PM ミッドランドスクエアシネマ

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     METライブビューイング 《ラ・ボエーム》
 2008年4月20日(日)5:30PM ミッドランドスクエアシネマ
        MET上演 2008年4月5日(土)

       指揮:ニコラ・ルイゾッティ
       演出:フランコ・ゼッフィレッリ

       ミミ:アンジェラ・ゲオルギウ
       ムゼッタ:アインホア・アルテタ
       ロドルフォ:ラモン・ヴァルガス
       マルチェッロ:ルドビィク・テツィエール
       ショナール:キン・ケルセン
       コルリーネ:オレン・グラドゥス
       ブノア/アルチンドロ:ポール・プリシュカ

 ミミのゲオルギウは、あまり美人でないのが意外でした。
 歳を取ったのでしょうか。
 そしてこのミミは自分でロウソクを吹き消したり、ロドルフォに擦り寄ったり、清潔感のないミミでした。
 休憩時間のインタビュー(ルネ・フレミング)でゲオルギウは「この演出の意図に従ったミミを演じている」と答えていたので、彼女としても辛いところかもしれません。
 第3幕以降はとても良かったです。

 僕はこのゼッフィレッリ演出をクライバー&フレーニのスカラ座来日公演(1981年9月27日・大阪)、チャールズ・マッケラス&カレン・エスペリアンのウィーン国立歌劇場(1986年12月30日)と2回見ていますが、今回のようなミミの役作りは初めてで、とまどいました。
 同じ演出家でも、年月がたつと考え方が変わってくるのでしょうか?
 今回の公演にどこまでゼッフィレッリの手が入っているのでしょうか?

 ボヘミアンたちは見た目もアンサンブルもあまり感心しませんでした。
 ロドルフォのラモン・ヴァルガスは小児麻痺で7歳の長男を亡くし、メキシコで小児ガン(?)撲滅運動をしている、いい人です。

 あれは1997年5月28日のこと、僕はメトロポリタン歌劇場来日公演《カルメン》観劇のため愛知県芸術劇場大ホールに出かけたのでした。
 そうしたらミカエラ役に予告されていたゲオルギウが開演前のロビーにロベルト・アラーニャと一緒にいて、ミカエラ役はアイノア・アーテータに変わっていたのでした。
 その後2006年に出版された、メトロポリタン歌劇場の総支配人であったジョセフ・ヴォルピーの自伝『史上最強のオペラ』を読んでいたら、1998年(自伝にはそう書かれている)のメット来日公演、愛知芸術劇場大ホールにおける《カルメン》騒動が出てきました。
 リハーサルで金髪のカツラを着けなかったたミカエラ役のゲオルギウを降ろし、アイノア・アーテータに代えてしまったんだそうです (@o@)。

 今回のムゼッタはアインホア・アルテタ(AINHOA ARTETA )とされていますが、僕はサイン会で本人から「私の名前はアイノア・アーテータ」と(ゆっくり発音してくれた)聞きました。
 久しぶりに元気なアルテタを見ることが出来たのは嬉しかったし、ゲオルギウと仲良くしていたのに安心したけれど (^_^) 、このムゼッタは「ムゼッタのワルツ」で二人の兵士を両脇に侍らせて歌うなど、これまた演出意図が不明でした。

 今回の公演では第一幕と第二幕が続けて上演され、舞台裏であの二階建ての第二幕の舞台が組み立てられる過程を、そのまま見ることが出来ました。
 第二幕と第三幕でカーテンが上がると、盛大な拍手が起こっていました。
 
 ニコラ・ルイゾッティは良い指揮者かと思いました。
 
 
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