ミュージカル 《マルグリット》
2009年2月28日(土)4:30PM 梅田芸術劇場メインホール

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  映画『シェルブールの雨傘』で有名なミシェル・ルグランが作曲し、《レ・ミゼラブル》《ミス・サイゴン》のゴールデンコンビであるアラン・ブーブリルとクロード=ミッシェル・シェーンベルクが脚本を担当したというミュージカル《マルグリット》。

 《レ・ミゼラブル》と《ミス・サイゴン》が大好きな僕としては、何だか分からないけれど行ってきました。

      ミュージカル《マルグリット》
    2009年2月28日(土)4:30PM
      梅田芸術劇場 メインホール

      マルグリット:春野寿美礼
      アルマン:田代万里生
      オットー:寺脇康文
      ピエロー:山崎裕太
      ルシアン:tekkan
      アネット:飯野めぐみ
      ジョルジュ:横内正

 ヴェルディの《椿姫》を、第二次大戦ドイツ征服下のパリに移したもの。
 かつての歌姫マルグリット(40歳)はドイツの将軍オットーの愛人となり、贅沢三昧の生活を送っている。
 彼女はパーティのバンドとしてやって来た青年ピアニストアルマン(23、4歳)と恋に落ち‥‥。

 こう書いては悪いが、登場人物が馬鹿ばっかりで、誰にも感情移入出来ない。
 納得出来るキャラクターは、オットーの愛人であるマルグリットをガソリン確保の手段として使い、戦後は見捨てるジョルジュくらいでしょうか。

 中でも情けないのがドイツの将軍だというオットー。
 絶対的な権力を持つパトロンであるのに、マルグリットには言うことを聞いてもらえず、「愛している。行かないでくれ」とか、情けないことを言っていたような気がする。
 
 ついにオットーはマルグリットの裏切りに激怒し、アルマンの殺害を決意する。
 アルマンを助けるために何でも言うことを聞くと助命を願うマルグリット。
 《トスカ》の第二幕になってきたな、と思って見ていたら何をしたと思う?
 マルグリットに別れの手紙を書かせただけ。
 激しく脱力しましたね (^_^; 。

 アルマン役の田代万里生くんは東京芸大卒業。
 《欲望という名の電車》でデビューしたというから、僕は見たことがあるのかな?
 歌にピアノに、そしてキスシーン、ベッドシーンに頑張っていたのではないでしょうか。
 でも、あの脚本ではね‥‥。

 何より驚いたのは、お父さんがテノールの田代誠さんだということ (@o@)。
 4月には「3大テノール」の向こうを張った「2代テノールジョイントコンサート」が予定されています。

※ここで「愛知オペラ」さんから「田代誠さんは大動脈瘤解離で手術を受けられたという」重大情報が入りました。
 ジョナサン・ラーソンは腹部大動脈瘤破裂で急死したのでした。
  
 御本人のHPによれば、昨年末の第九ソロでの本番のさなか、マーチのソロの直後に電気ショックのような衝撃を胸部に感じ、何とか最後まで歌い上げ(すごい!)、救急車で運ばれて、10時間におよぶ緊急大手術。
 今はお元気になられたようで、「私自身は未だ入院中であるが、必ず復活し、4月の2代テノールは我ら親子で皆様への、感謝と喜びのリサイタルとなりますことをお約束いたします」と結んでおられます。

 ミュージカルに戻って、アネット役の飯野めぐみさんは飯野おさみさんと前妻の末次美沙緒さんとのお嬢さんだとか。
 もう少しましな役柄で見てみたい方です。

 舞台装置は実に立派なものでした。

 ミシャル・ルグランの曲は印象に残らない。
 クロード=ミッシェル・シェーンベルクに作曲してもらった方が良かったでしょう。

 アラン・ブーブリルとクロード=ミッシェル・シェーンベルクのコンビといえば、《パイレート・クィーン》というミュージカルのチラシが入っていました。
 2010年1月に梅田芸術劇場で上演されるそうで、主役は保坂知寿さんと山口祐一郎さんというびっくりコンビ。
 これは見に行かなくてはね。 1年後だけれど (^_^ゞ。

 そうそう、名古屋では3月に《レ・ミゼラブル》が上演されます。
 
 
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