ミュージカル《レ・ミゼラブル》
2009年3月25日(水)6:15PM 中日劇場

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 僕は《レ・ミゼラブル》を20回以上見ていて、今回の名古屋公演では新しい橋本バルジャンを確認するために、今日1回だけ見に行く予定でした。

 それなのに、最終的には4回行ってしまいまして、恐るべき《レ・ミゼラブル》の魔力です (^_^; 。

   ミュージカル《レ・ミゼラブル》
 2009年3月25日(水)6:15PM
       中日劇場

   バルジャン:橋本さとし
   ジャベール:今 拓哉
   エポニーヌ:坂本真綾
   ファンテーヌ:山崎直子
   テナルディエ:安崎 求
   テナルディエの妻:田中利花
   マリウス:藤岡正明
   アンジョルラス:東山義久
   コゼット:菊地美香
   ガブローシュ:田川颯眞
   リトル・コゼット:古口貴子
   指 揮:若林祐治

 橋本さとしさんは「劇団☆新感線」出身ということで、《ミス・サイゴン》のエンジニアのように演技重視の役柄なら良いけれど、ジャン・バルジャンのように歌唱重視の役柄は無理があるのではないかと考えていました。

 今日は橋本さんの演技を確認にいった訳なんですが、その演技が素晴らしかった。
 僕がバルジャンに望む、ほとんどのものがありました。

 あとはファンテーヌが死んだときに、別所さんのようにおののいて欲しかったですね。
 自分の腕の中で人が死んでいくんだから。
 山口さんのように段取りでベッドに寝かせてしまったのは残念。

 この場面を除けば、ほぼ満点。
 バリケードで撃たれたマリウスを介抱する場面に見とれていたら、いつの間にかアンジョルラスだけでなく、グランテールまで撃たれていました (^_^ゞ。

 心配した歌唱の面でも、山口さんのような超人的な声と較べなければ、充分に満足できる歌唱です。
 橋本さんが、僕が日本で見た最高のバルジャンになるとは、自分で驚いてしまいました (^_^ゞ。

 今 拓哉さんのジャベールは、それなりに良かったですね。
 山崎直子さんのファンテーヌもそれなり。
 テナルディエ夫妻もまあまあでしょうか。
 すべてのキャストのレベルが高い公演です。

 コゼットの菊地美香さんはオペラっぽい発声が、気に入りませんでした。
 高い「b」の音は不安無く出るんですが、コゼットはそれだけではないでしょう。

 藤岡正明さんのマリウスは素晴らしかった。
 声量だけではなく、演技的にも多くの情報を発散しているマリウスです。
 その情報に合わせて相手役が演技すれば、それぞれの場面が印象深いものとなります。

 前にも書いた『共に飲もう』の場面。
 「死ぬのが怖くないのか、死は無駄じゃないのか」と歌うグランテールに藤岡さんだけがビクッと反応します。
 そうすると次の「死んでもいいさ、コゼットは旅に出る」という歌詞にうまく引き継がれるわけです。

 アンジョルラスの東山義久さんは06年に見た時と較べ、ずっと良いアンジョルラスになっていました。
 バリケードのてっぺんから2歩で舞台まで飛び降りてくるのかな?

 指揮が若林祐治さんに変わって、アンサンブルが良くなってきました。
 
 
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