笛田博昭(FUEDA HIROAKI)テノールリサイタル
2009年7月4日(土)3:00PM 宗次ホール

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  2003年名古屋芸術大学「トゥーランドット」のカラフでその迫力ある美声に仰天して以来、追っかけをしている笛田博昭(FUEDA HIROAKI)さん。
 このたび第20回五島記念オペラ新人賞を受賞され、9月下旬にはミラノに留学されるとか。
 それならば、名古屋の住まいは引き払われるのでしょう。
 そして「世界の笛田博昭」になられるわけで、これが『名古屋さよならコンサート』になるのでしょうか。

 最初にチラシを見たときにビックリしたのが、笛田さんの大きい写真。
 こんなに大きい笛田さんの写真を見たのは初めてです。
 この写真は藤原歌劇団《ラ・ボエーム》のロドルフォ用の写真だと思いますが、実際に舞台に出てくるのはパーマをかけて無精ひげの笛田さんだったりすると、ちょっとギャップがあったりします (^_^; 。

 会場の宗次(むねつぐ)ホールは名古屋の中心地「栄」にあります。
 カレーチェーン「CoCo壱番屋」のオーナーであった宗次徳二氏(60歳)が、株式公開で得た20数億円を社会に還元するために07年3月にオープンしたホールで、座席は232席。
 小規模なホールではありますが、積極的にコンサートを企画しているようで、がんばっていただきたいものです。

     笛田博昭テノールリサイタル
    2009年7月4日(土)3:00PM
         宗次ホール

     ピアノ:浅野 菜生子

 <プログラム>
 トスティ:理想
 トスティ:最後の歌
 トスティ:暁は光から
 ピアノ独奏:ムゼッタのアリア
 ヴェルディ:《運命の力》 天使のようなレオノーラ
 ヴェルディ:《オテロ》 神よ!あなたは私にあらゆる悲惨な恥ずべき不運を
 デ・クルティス:泣かないお前
    =休憩=
 トスティ:可愛い口元
 ビクシィオ:マウリ愛の言葉を
 ダンニバレ:太陽の地
 アルヴォ:彼女に告げて
 ピアノ独奏:《カヴァレリア・ルスティカーナ》間奏曲
 ヴェルディ:《マクベス》 ああ、父の手は
 プッチーニ:《トスカ》 星は光りぬ

 アンコールは『カタリ・カタリ』、『オーソレミオ』、そして『誰も寝てはならぬ』でした。
 僕は《トロバトーレ》「マンリーコのアリア」まで期待したかったのですが、そこまで期待するのはちょっと贅沢でしょうか (^_^ゞ?

 笛田さんは各曲のはじめに咳払いをしておられましたので、声の調子は万全ではなかったようです。
 低い音の響きが少し弱かったでしょうか。
 しかし、声の迫力はいつもどおりで、この狭いホールでは耳が痛くなるほどでした。

 最近の笛田さんの活躍はめざましく、6月に上演された「熊川哲也 K バレエ カンパニー 『ベートーヴェン 第九』」では、ソプラノの森 麻季さん、佐藤美枝子さん、メゾ・ソプラノの谷口睦美さん、バスの折江忠道さんと共演されました。

 また、12月には東フィルの『第九』(指揮:オンドレイ・レナルト)で、ソプラノ:中嶋 彰子、アルト:山下 牧子、バリトン:甲斐 栄次郎といったメンバーと共演される予定です。

 五島記念文化賞は東急グループが芸術、文化の分野で優れた人材の発掘と育成を通じて真に豊かな社会のお役に立ちたいと、故五島会長の遺志を継承し、活動しているものです。

 オペラ歌手で受賞するのは1年に1~2人。
 ここ10年の新人賞受賞者を見ると、大岩千穂(平成10年度)、森 麻季(平成12年度)、林 正子(平成13年度)、幸田浩子(平成15年度)、村上敏明(平成16年度)、砂川涼子(平成17年度)、という錚々たる名前が並んでいます。

 やがて笛田さんもこのようなメンバーに並ぶのでしょう。
 カーテンコール最後の「誰も寝てはならぬ」を聴いていると、2003年の初舞台を思い出し、「やっとここまで来たか」と感慨もひとしおです。
 
 
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