ベルガモ・ドニゼッティ劇場 《椿姫》 マリエッラ・デヴィーア
2010年1月16日(土)5:00PM 愛知県芸術劇場大ホール

「REVIEW10」に戻る  ホームページへ
 

   ベルガモ・ドニゼッティ劇場 《椿姫》
   2010年1月16日(土)5:00PM
     愛知県芸術劇場大ホール

   指揮:ブルーノ・チンクエグラーニ
   演出:パオロ・パニッツァ

   ヴィオレッタ:マリエッラ・デヴィーア
   アルフレード:アントーニオ・ガンディア
   ジェルモン:ジュゼッペ・アルトマーレ
   フローラ:アンナリーザ・カルボナーラ
   アンニーナ:ガブリエッラ・ロカテッリ
   ガストーネ子爵:ディオニジ・ドストゥーニ
   ドルフォール男爵:レオナルド・ガレアッツィ
   ドビニー侯爵:ダーリオ・ジョルジェレ
   医師グランヴィル:エンリーコ・マルケジーニ
 
 
 この公演は「マリエッラ・デヴィーアの至芸を拝見する会」なのでしょう。
 思ったより声が小さかったけれど、抜群のテクニックと感情表現で、とても良いヴィオレッタだったと思います。
 でも、後から冷静に考えれば、オペラを見たというよりも、デヴィーア先生にお手本を見せていただいた、授業を受けた感じでしょうか。

 また、僕としては名古屋二期会で聴いた渡部純子さん『ある晴れた日に』の方がビビビと来たことは書いておきましょう。
 会場の大きさは違うし、ヴェルディ(苦手)とプッチーニ(大好き)は違うし、較べるのは変かな?

 アルフレード役のアントニオ・ガンディアは第2幕からが良かったですね。
 このオペラの第一幕(特に前半)は、全体的にウォーミングアップのような気がします。

 老ジェルモン役のジュゼッペ・アルトマーレは老人らしい声でした (^_^; 。
 コーラスも最初は「東京オペラシンガーズ」の方がずっと良いのではないかと思いましたが、2幕以降は迫力が出てきました。

 舞台は抽象的なもので、第1幕は中央に大きな虫眼鏡(ガラスなし)のようなオブジェが立っていました。
 「あれは『♀』を象徴しており、ヴィオレッタの部屋は売春宿という設定だ」という御意見をいただき、その深い読みにビックリしました。
 このオブジェは最終幕ではヴィオレッタのベッドになっていたと思います。

※プログラムから

① 新しい演出について:デヴィーア
 どんな演出をしてもオペラのテキストに本当の意味で忠実でなくてはなりません。
 今回は時代を変えていますが、正しい解釈の《椿姫》になっていると思います。

② 戯曲『椿姫』について:永竹由幸
 最終幕でマルグリットが病死する寸前にアルマンが現れて最後を看取るなんて不自然な設定は、見え見えのお涙頂戴的なシーンで理性的な人なら我慢がならないところだ (^_^) 。

※東京オペラプロデュース《マダム・サン=ジェ-ヌ》 大隅智佳子
 この日は追っかけをしている大隅智佳子さんの《マダム・サン=ジェ-ヌ》が東京で上演されました。
 バッティングしてしまうとは、まったくまったく無念です。
 3月27日(土)北とぴあでの《修道女アンジェリカ》には必ず行かなくては。
 5月23日(日)の《影のない女》新国立劇場のチケットも確保しています。
 
 
「REVIEW10」に戻る  ホームページへ