METライブビューイング 《カルメン》
2009年2月11日(木・祝)10:30AM ミッドランドスクエアシネマ

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 ミッドランドスクエアシネマに行くと、果たして「《カルメン》と《アバター3D》は売り切れです」という放送が流れていました。
 次演目の《シモン・ボッカネグラ》はどうなるのでしょうか?

    メットライブビューイング《カルメン》
  2009年2月11日(木・祝)10:30AM
      ミッドランドスクエアシネマ

   指揮:ヤニック・ネゼ=セガン(カナダ)
   演出:リチャード・エア(イギリス)

   カルメン:エリーナ・ガランチャ(ラトヴィア)
   ドン・ホセ:ロベルト・アラーニャ(フランス)
   ミカエラ:バルバラ・フリットリ(イタリア)
   エスカミーリョ:テディ・タフー・ローズ

 リチャード・エアの演出が良かった。
 かなり濃厚な振り付けですが、主役はもちろん群衆の隅々まで目が行き届いています。
 優秀なアシスタントがいて、群衆の指導をするのだということです。

 ヤニック・ネゼ=セガンという指揮者はよい指揮者だと思いました。

 カルメン役のガランチャは、歌に踊りに体当たりの演技で頑張っていました。
 カルメンそのもので、ちょっとした表情、動作にも感心することが多かった。
 清楚な《チェネレントラ》とのあまりの違いに驚いてしまいます。

 話は変わりますが、年末のBSでエアチェックした「バーデンバーデンのガラコンサート」でガランチャが歌ったデリラのアリア、『君がみ声に心は開く』の深い声と息の長いフレージングにも驚嘆しました。
 僕はこの曲が大好きで、サザーランド引退記念《こうもり》のDVDを買って、マリリン・ホーンの歌を何度も聞き返したことです。
 ガランチャはルックス的に、おばあさんのマリリン・ホーンよりはかなり有利ですね (^_^) 。

 アラーニャはドン・ホセにぴったりでしたが声の調子が悪いのでしょうか、『花の歌』の高音(B♭)はファルセットで逃げていました。
 その他はガランチャと同じく体当たりの演技で、ホセの悲劇に同情してきました。

 そうそう、僕は『ある晴れた日に』は蝶々さんがスズキに向かって歌う歌だと言ってきましたが、今回のホセは『花の歌』をひたすらカルメンに向かって訴えかけていて(カルメンは無視して正面を見ている)、大変気に入りました。
 このような『ある晴れた日に』を見てみたいものです。

 エスカミーリョのテディ・タフ・ローズはマウリーシュ・クフィエチェンの代役。
 ローズがメトから交代決定の電話を受けたのは、公演3時間前の朝の10時だったそうです (@o@)。
 ルネ・フレミングのインタビューに「朝の10時で良かった。もし昨夜聞いていたら眠れなかっただろう」と答えていました (^_^) 。

 テディ・タフ・ローズのエスカミーリョはとても良かった。
 低い声がよく出るんですね。
 僕は昔から『闘牛士の歌』で、和声がおかしいのではないかと思うところ(最低音)がありました。
 今日のローズは文句なしで、今まで聴いた人は低い声が出ていなかったんだ、と気づきました。
 ビゼーが間違ったのかと思っていましたよ (^_^; 。
 
 
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