《修道女アンジェリカ》 見較べ・聴き比べ

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 夏はオペラ公演がないので、大好きな《修道女アンジェリカ》の見較べ・聴き比べをしてみました。

 1)スカラ座公演 レーザーディスク

 指揮:ジャナンドレア・ガヴァッツェーニ  プロデューサー:シルヴィアーノ・ブソッティ
 アンジェリカ:ロザリンド・プロウライト  公爵夫人:ドゥニ・ヴィエソヴィッチ

 解説のどこを見ても演出家の名前がないんですが、プロデューサーって演出家なんでしょうか?
 プロウライトのアンジェリカも良いし、演出もオーストドックスで、スタンダードとしてお薦めできるディスクでしょう。

  2)スカラ座 2008年3月

 指揮:リッカルド・シャイー 演出:ルカ・ロンコーニ
 アンジェリカ:バルバラ・フリットリ
 公爵夫人:マリヤーナ・リポヴシェック

 最初から最後までアンジェリカに成り切った、バルバラ・フリットリの演技が素晴らしい。
 泣けます。
 声量的には今ひとつでしょうか。

 ルカ・ロンコーニの演出は巨大なマリア像が横たわった舞台装置で、奇をてらったというか、感心しませんでした。


 3)モデナ・テアトロ・コムナーレ 2007年2月28日

 指揮:ジュリアン・レイノルズ 
 演出:クリスティーナ・ベッツォーリ
 アンジェリカ:アマリッリ・ニッツァ
 公爵夫人:アンナマリア・キウーリ

 アマリッリ・ニッツァが《外套》のジョルジェッタ、アンジェリカ、《ジャンニ・スキッキ》のラウレッタを歌っています。
 ギロリと睨む彼女のアンジェリカは怖すぎて、公爵夫人も負けそうです (^_^; 。
 
 ニッツァに合っているのは《外套》のジョルジェッタで、この《外套》は素晴らしい出来上がりで、ぜひお薦めしたい。

 ラウレッタもニッツァのキャラクターには合っていないと思うけれど、『私の優しいお父さん』では、ちょっとした目の動きでラウレッタのずる賢さを表現する演技力に感心しました。

 この《ジャンニ・スキッキ》はこのオペラが喜劇であることを改めて気付かせてくれる、笑える演出。
 アンサンブルも生き生きとして、これもぜひお薦めしたいと思います。
 伸縮自在のジュリアン・レイノルズの指揮も魅力的でした。

 《外套》《ジャンニ・スキッキ》で感心したクリスティーナ・ベッツォーリの演出は、《修道女アンジェリカ》では首をかしげるところがありました。
 例えば、上のジャケットの下着姿はアンジェリカですが、どうして彼女が修道服を脱がなければいけないのか、僕には分かりません。

 公爵夫人のアンナマリア・キウーリは深い音色の声量のあるアルトで、重々しい演技と合わせ、理想の公爵夫人かと思いました。
 彼女は《外套》のフルーゴラ、《ジャンニ・スキッキ》のツィータも歌っており、大活躍です。

 大活躍といえば、アルベルト・マストロマリーノも《外套》のミケーレ、そしてジャンニ・スキッキ役も歌っておりました。
 どちらも良かったですね。
 

 4) LIPpresentsOPERA主催公演 《修道女アンジェリカ》
  2010年3月27日(土)6:00PM

  指揮:高野秀峰 演出:馬場紀雄
  アンジェリカ:大隅智佳子 公爵夫人:新宮由里

 大隅智佳子さんのアンジェリカが声楽的に素晴らしい。
 僕は大隅さんのファンだし、録音の関係もあるのでしょうが、彼女が歌い始めるとビビビと痺れてしまうんですね。

 バルバラ・フリットリに大隅さんの声を求めることは難しいと思うけれど、大隅さんにバルバラ・フリットリの演技を求めることは可能なのではないかな。
 まあ、ファンモードですからね (^_^ゞ 。

 公爵夫人の新宮由里さんは声は良いと思うんだけれど、チャラチャラした服装がね。
 杖をついていない公爵夫人は、かえって希少価値がある映像なのかも知れません (^_^; 。
 
 
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